NHKマイルカップと安田記念のステップ競走に指定されている「ニュージーランドトロフィー」が土曜日、中山競馬場にて開催される。
昨年は49万、一昨年は105万馬券が飛び出すなど、近年は波乱傾向が強い3歳マイル重賞。今年のメンバーを見みると、G1の朝日杯FS・4着のケイアイノーテック、6着のファストアプローチ、さらにともにG2で2着の経験があるカシアスやカツジなど、実績豊富なメンバーが集まった。とは言え、とくに抜けた馬はおらず、混戦模様の今年も波乱となる可能性は十分秘めていると言っていいだろう。
今回の1番人気の最有力候補は、おそらく朝日杯FS・4着の実績を持つケイアイノーテック。単勝オッズ1.2倍に推された前走の500万下では、外から差して後続に4馬身差をつける強い勝ち方であった。G1・4着の能力なら勝って当然というレースだったが、今回のレースへ向けて良い弾みをつけることができ、G1初制覇へ向けて絶好調といった感じだ。
このメンバーなら実績は確かに一枚上かもしれないが、小回りコース未経験で、初の関東への輸送など、クリアすべき課題も少なくない。今回は前走手綱を握っていた川田将雅騎手から、戸崎圭太騎手に乗り替わりとなる。戸崎騎手とは今回が初コンビとなるが、先週の大阪杯ではテン乗りのサトノダイヤモンドで7着に敗れ、前日のダービー卿CTでも2番人気のレッドアンシェルで7着、その前週のファルコンSでも1番人気のダノンスマッシュを7着に飛ばしており、近走は人気馬がまわってきても尽く馬券圏外へと飛ばしている。大阪杯ではスローペースと位置の差で負けた感があるが、近走の騎乗ぶりからはやはり買いづらい騎手というのが正直なところだ。巷では花粉症が不調の原因なんて噂も・・・。
逆に騎手で調子が良いのは石橋脩騎手。先週のダービー卿CTでは6番人気のキャンベルジュニアを2着に持ってきており、桜花賞の前哨戦のチューリップ賞では期待の3歳牝馬ラッキーライラックで単勝オッズ1.8倍というプレッシャーのかかる中、見事に期待に応えて馬を優勝に導いた。
石橋騎手はニュージーランドTではファルコンS・4着のアンブロジオに騎乗予定だ。同馬とは今回が初コンビとなるが、前目で競馬ができる点、マイルも2戦2勝、1400mからの距離延長と悪くない条件。十分勝ち負けできる馬での騎乗機会となる。日曜日はラッキーライラックで桜花賞にも騎乗する予定となっており、土日で2日連続重賞制覇達成なんて偉業を成し遂げる可能性も。何れにせよ、今乗れている騎手なだけに注目しておきたいところである。
デビュー戦以来となる右回りに乗り替わりと、こちらもクリアすべき課題は少なくないが、機動力があり、立ち回りが上手い馬なので中山芝マイル戦はピッタリ合う可能性がある。人気ではケイアイノーテックに劣るが、今回は波乱も多いニュージーランドT、アンブロジオの激走に期待してみても面白そうである。