中山競馬の土曜メインは天皇賞春の前哨戦となる「日経賞」です。春の古馬中長距離路線を占う上で重要な一戦です。今回は出走予定馬の中でも上位人気となりそうな有力馬3頭をピックアップしましたので予想の参考にお役立てください。
アスクビクターモア(牡4、田村康仁厩舎)
前走の菊花賞を制し、G1初制覇を果たしたアスクビクターモア。皐月賞は5着に敗れましたが、続く日本ダービーは3着、セントライト記念・2着、菊花賞はレコード快勝と距離を伸ばしてパフォーマンスを上げてきた素質馬です。前走の菊花賞で2着だったボルドグフーシュは後の有馬記念で2着に好走しており、この世代のレベルの高さを物語っています。同馬も有馬記念の参戦を視野に入れていましたが、態勢が整わずに回避。じっくり立て直してきた今回は楽しみな一戦となります。
タイトルホルダー(牡5、栗田徹厩舎)
昨年の日経賞の覇者、タイトルホルダーは連覇を狙って今年も参戦。2021年の菊花賞を制し、昨年は日経賞、天皇賞・春、宝塚記念と重賞3連勝を果たし、長距離王の座を揺るぎないものとしました。秋初戦はフランスの凱旋門賞に参戦し11着、続く有馬記念でも9着と近2戦は惨敗が続いていますが、凱旋門賞は初の海外遠征に加えて極悪馬場に苦しみ、前走の有馬記念は帰国後の調整に苦しんでと本来の調子で競馬が出来ていません。間隔を空けて心身の立て直しを図ってきた今回は巻き返しが期待されます。
ライラック(牝4、相沢郁厩舎)
前走のエリザベス女王杯で2着だったライラック。前走は差しが有利な流れで枠や道中の位置取りもピッタリとハマり、条件が向いての2着という印象も強いですが、課題であった長距離輸送も克服し、古馬相手にも持てる力を発揮してくれたのは好材料。昨年の今頃はまだ馬体減に悩まされるなど体質面で不安があった馬でしたが、体質も強化され、G1でも通用する力が備わってきたことを証明する一戦でもあったと感じます。中山コースもフェアリーS・1着、紫苑S・3着の実績があり、適性は高い舞台。54kgの軽量で臨めるここは侮れない1頭です。