【JRA高松宮記念2023】ナムラクレアに〝危険サイン〟あり?

いよいよ今年も春の最強スプリンターを決めるスプリントG1「高松宮記念」が開催。昨年の覇者ナランフレグ、21年のスプリンターズSの覇者ピクシーナイト、20年の朝日杯FSの覇者グレナディアガーズとG1馬3頭が揃っているが、今年はG1未勝利もスプリント重賞3勝を挙げているナムラクレアが堂々の主役と見て間違いないだろう。

昨年のスプリンターズSでは0秒2差の5着に敗れたが、終始外目を回るロスが響いたかたちで、枠や展開に泣いた一戦であった。その後はしっかり休んで立て直しを図り、今年初戦のシルクロードSでは中団内から進出し、直線はメンバー上がり最速32秒9の脚で伸びて差し切り巻き返しを達成。抱えていた爪の不安もすっかり解消した様子で、56.5kgの酷量も難なく克服と、今年初戦を白星で飾った。

1週前の追い切りではCWで6F79秒8の猛時計で併せ馬に先着し、休み明けをひと叩きされて上昇ムードの気配が漂っている。これまでG1は三度挑戦して桜花賞の3着が最高着順。4度目のG1で悲願達成の期待は十分だが、不安は全くないわけではない。

前走のシルクロードSは内目で直線を向き、直線もそのまま内を通っての好走だった。2枠2番と枠に恵まれたところもあり、馬場や枠に左右されやすいタイプの馬でもある。スプリンターズSは外枠に泣かされての5着だった点は冒頭でも述べたが、北九州記念でも外枠16番からのスタートで、直線序盤は進路の無い外へ出され、そこから再び内へ入ってと蛇行分でロスが発生しての3着。1、2着馬は道中最短コースから直線も内を走った馬だった。

外目の枠からだと勝ちきれない傾向があり、今回も欲しいのはやはり内枠。また、馬場についても回転力のあるピッチ走法ということで、高速に近い良馬場だと他馬にアドバンテージが生まれてくる。当日が早い馬場で再び外枠に入ってくるようなら、無条件に飛びつくのは危険な1頭と言えるかもしれない。