3月25日はUAEドバイのメイダン競馬場でドバイワールドカップデーが開催される。
今回、個人的に最大の期待と注目をよせているのは、昨年のドバイターフを勝ち、今年は世界最高賞金競走のサウジCを制した海外G1・2勝馬のパンサラッサだ。
“生粋の逃げ馬”という脚質的な面でも注目度が高い1頭で、芝でもダートでも逃げて逃げて逃げ粘るのがこの馬の持ち味だ。当初はドバイターフ連覇に向けた臨戦が陣営によって表明されていたが、世界最高賞金レースのサウジC制覇でドバイワールドCへ矛先を変えた。前走はキャリア2度目のダートながら、国内の砂とは違う馬場でも結果を出し、臨戦態勢は万全。
鞍上の吉田豊騎手も「パンサの競馬をしたい」とコメントしており、逃げる気は満々だ。最大のライバルはサウジCで苦杯を舐めた米国馬のカントリーグラマーとなりそうで、昨年のドバイWCの覇者ということで得意舞台でリベンジを狙っている。マークも当然厳しくなることが予想され、昨年覇者が万全の態勢で待ち構えている今回はタフなレースになるのは必至だろう。
しかし、海外レースの方が同馬に合うのは明白。国内の狭くて環境音の大きいトレセンと比べ、海外の広くて静かな環境は同馬の“やんちゃ”な気性を落ち着かせてくれているようで、現地ではメンコ(覆面)を外して調整できている。国内のトレセンも決してうるさくはないが、車やバイク、人の通りがあり、フランスやドバイなどの厩舎付近と比べると圧倒的に環境音が大きい。
自分の競馬に集中することが何よりも重要となる同馬にとって、この広く静かな環境は非常に大きなプラスとなっていることだろう。1週前の16日にはダートで僚馬のコンティノアールと併せ馬を行い、ラスト2F11秒4-11秒2の好ラップをマークと気配は良好。サウジC後はここに照準を合わせて態勢は万全だ。ダートの海外G1制覇という大偉業を果たした前走に続き、ドバイの地でも“歴史的逃走劇”を完遂させるのか、目が離せない。