ヴィクトリアマイルの前哨戦となるマイル重賞のG2「阪神牝馬S」が今週末阪神競馬場で開催されます。今年は登録馬14頭中8頭が重賞馬で、うち3頭がG1馬。G1競走と言ってもおかしくないほどに豪華な面々が集まりました。
中でも注目を集めるのは昨年のクラシックを盛り上げたソウルスターリングとリスグラシューの2頭でしょう。ソウルスターリングは阪神JFで1着、桜花賞3着、オークス1着と活躍し、まさに牝馬クラシックの主役を飾った一頭。一方のリスグラシューは阪神JFで2着、桜花賞でも2着、オークスで5着と勝ちきれない結果が続き、シルバーコレクターと比喩されることも多かった一頭です。
しかし、そんな2頭の立場も今では逆転しつつあります。昨年の上半期は好調だったソウルスターリングは、秋初戦の毎日王冠で8着に敗れると、続く天皇賞秋で6着、ジャパンCで7着と下半期は惨敗続き。牡馬相手では歯が立たず、今年は牝馬路線に戻してきた形になりますが、繊細な牝馬だけに負けグセがついてしまっている点は気がかりです。
一方のリスグラシューは、秋はローズS(3着)、秋華賞(2着)と順調に牝馬路線を進み、エリザベス女王杯では8着に敗れたものの、初めて牡馬相手に挑んだ今年初戦の東京新聞杯で1年4ヶ月ぶりの勝利を果たし、シルバーコレクターの名を返上しました。
もともとスタートもそこまでで後方からの競馬が多かったリスグラシューですが、前走はいつもより行きっぷりに余裕があり、中団からの競馬を展開すると直線では馬群の真ん中を割って一気に先頭に立ち、そのまま抜け出して1馬身差をつけて完勝。鞍上の武豊騎手も「ペースが落ちたときにかかりそうになりましたが我慢できました。昨年までとは違って反応が早かったですね」とコメントし、馬の成長ぶりを高く評価しました。
改めてソウルスターリングと比較してみると、2頭の近戦のローテーションと着順結果を見てもリスグラシューは上り調子ですし、前走の東京新聞杯では牝馬では一番重い55キロを背負い、ソウルスターリングに先着したグレーターロンドンやダイワキャグニーを破っている点からも、能力的にもソウルスターリングと少なくとも同等、またはそれ以上に評価することができるでしょう。
今回の阪神牝馬Sではソウルスターリングが56キロ、リスグラシューが54キロと斤量面でもリスグラシューにアドバンテージがある点からも、リスグラシューは高く評価しておきたい一頭です。昨年は何度も土をつけられたソウルスターリングにリベンジを果たすかにも注目が集まります。