優勝候補の最右翼と目されていたダノンプレミアムが回避したことで、逆に面白みが増してきた皐月賞。
皐月賞と言えばまずはトライアルの弥生賞組とスプリングS組から注目していくのがセオリーですが、弥生賞の勝馬ダノンプレミアムは回避ということで、同競走2着のワグネリアン、そしてスプリングSの勝馬ステルヴィオが人気を分け合う形になりそうです。
繰り上がりで人気に!トライアルを好走した「ワグネリアン」と「ステルヴィオ」の注目度が一気に上昇
ワグネリアンは2走前の東スポ杯2歳Sを優勝し、弥生賞2着とここまで堅実。エンジンの掛かりが遅く伸びは地味ですが、確実に伸びてくる長く良い脚が魅力の一頭です。持続力勝負で強いレースを見せてくれそうという意味では、クラシックは皐月賞よりもダービーの方が向いてそうな印象があります。
ステルヴィオはサウジアラビアRCと朝日杯FSで2連続2着に入着し、前走のスプリングSで重賞初制覇を達成。終い勝負の馬なので小回りの中山コースが合うかどうかという不安や、初の2000mとなる点は不安ですが、これまでの最後の脚を見る限り距離に関しては延びた方がパフォーマンスが上がる可能性は高そうです。
有力馬の回避で上記2頭のいずれかに人気が集まりそうですが、少頭数しかい経験していないワグネリアンは多頭数となる本番でうまく馬郡をさばけるかどうかの不安がありますし、ステルヴィオは末脚は魅力ですが、やはり距離とペースがカギとなりそうです。いずれの馬もダノンプレミアムにのみ負かされているので、ある意味無敗馬対決という見方もできそうですが、他馬のつけ入る隙も十分にあることから、やはり混戦模様がさらに色濃くなってきたという印象の方が個人的には強く感じております。
トライアルを好走した2頭に注目が集まりがちですが、今回はなんと言ってもクラシックの舞台。その注目の陰に隠れて虎視眈々と牙を研ぐ馬が多数いることも忘れてはなりません。
あの世界の北野武(ビートたけし)が名付け親であることでも有名なキタノコマンドールは2戦2勝を全て33秒台という上がり最速タイムで差し切っており、キャリア2戦のみながらも不気味な一頭。M.デムーロ騎手を迎え必勝体制で大舞台へ臨みます。
デイリー杯2歳Sで1着、ホープフルSで2着、弥生賞で3着と安定感抜群のジャンダルムは武豊騎手を背にクラシックに参戦。新馬とデイリー杯2歳Sのマイル戦を連勝していることから長い距離が不安視されておりましたが、距離を伸ばしたホープフルSや弥生賞でも2,3着に好走。脚の使い所次第では逆転も。
昨年のホープフルSの勝馬タイムフライヤーは今年はオープン特別から始動と異例のローテーション。圧勝かと思われましたが、レースでは序盤で不利があり後方待機、直線では大外ぶん回しという策もなにもない競馬となり5着に敗退。鞍上は内田騎手へと乗り替わり、巻き返しを図ります。
有力馬の回避により波乱の芽が出てきた感がある今年の皐月賞。去年は9番人気のアルアイン、一昨年は8番人気のディーマジェスティが優勝するなど伏兵馬の台頭も多いレースだけに、網は広げておいた方がよさそうです。