阪神競馬の日曜メインは中距離王を目指す古馬が集結する注目のG1「大阪杯」が開催。主役は昨年の牝馬クラシック二冠馬スターズオンアースだろう。
前走の秋華賞・3着後に左前肢繋靱帯炎を発症し、約半年間の休養を経て待望の復帰戦となる。秋華賞自体が約半年の休養・骨折明けだっただけに、今回もこれだけの間隔があくと状態面の懸念は拭いきれない。何より、同じ脚元の怪我明けという点は気がかりだ。
ただ、その不安とは裏腹に中間は絶好の動きを見せてきている。23日の1週前追い切りでは美浦Wコースで3頭併せを行い、6F81.0-1F11.1の好時計をマークし自己ベストを更新。馬なり中心の調整も、古馬2勝クラスのステラダイヤに2馬身、古馬1勝クラスのサルサロッサに6馬身と僚馬を子ども扱いする好内容の追い切りを消化した。
2週前にも美浦のWコースで併せ馬を行い、Wコースで未勝利馬のグランキューブと、2勝クラスのステラダイヤを相手に6F82.0-1F11.7の好時計をマークし、直線は2頭を4馬身突き放す圧巻の走りを見せている。ここまで順調な立ち上がりを見せており、追い切りの動きと時計だけ見れば、むしろ不安どころかじっくり休ませたことが奏功しているようにも見える。
昨年秋華賞前には、生産者の社台ファームの吉田照哉代表は「骨片はもともとあって、痛みを感じていなかった」とスポーツ紙の取材で話していた。また、高柳調教師も「手術せずに温存する選択肢もあった」とコメントしており、オークス後の骨折の症状自体は軽めだったと言えよう。今回の繋靭帯炎についても、昨年手術を受けたという経緯もあり、今後を見据えて治療に専念するという方針で長期休養してきた。“大事”をとってきた陣営の判断が吉と出てきていると見るのがやはり妥当か。
1週前追い切り後には「間に合わせて使うというより、間に合うから使うという感じです」と高柳瑞樹調教師は説明しており、状態面について強気の姿勢を示している点は好感が持てる。実際馬体も一回り大きくなっている印象があり、成長面の期待も十分。最終追い切りや馬体重などは引き続き注視する必要がありそうだが、さらなる上昇を確認できるようなら、むしろさらに成長した走りが見れる可能性もありそうだ。