中山競馬の土曜メインは安田記念の前哨戦に位置するマイル重賞「ダービー卿チャレンジトロフィー」が開催。賞金を稼ぎたい馬達が集結するハンデ戦ゆえ、力関係が複雑になる一戦だ。実績上位は昨年の毎日王冠・2着でマイルCS・6着の実力派、ジャスティンカフェだ。
今年初戦の前走、東京新聞杯では上がり最速33秒3を繰り出すも4着まで。直線では窮屈なポジションで追いづらくなるシーンが見られ、物理的に難しかった印象。それでも狭いスペースを割って追い込んで0秒1差の4着なら悲観する必要はないだろう。決して力負けしたわけではなく、このメンバーなら引き続き地力は上位で巻き返しの期待は十分だ。
ただ、同レースは波乱含みのハンデ戦ということを忘れてはいけない。過去10年のデータと傾向でも述べられているように、過去10年で1~3番人気はそれぞれ1勝ずつと上位人気は大不振だ。上位人気は疑ってかかるのがセオリーとも言って良い。
上位3番人気以内には確実に推されるであろうジャスティンカフェにおいても、信頼しすぎるのは危険と思ったほうがよいかもしれない。実際、同馬はいかにも東京や阪神外回り向きのタイプで、中山への対応は正直半信半疑だ。中団から後方で脚を溜めて終いの脚を生かす競馬が基本の同馬にとって、このコースで持ち味の切れを活かすには色々と条件がハマる必要がある。
また、ハンデもこれまでで最重量となる58kgを背負う点も怖い。58kgの馬は過去10年【0-1-0-6】とほとんど馬券に絡んでおらず、上位人気不振の傾向からもむしろ消し材料の方が揃っている。能力は確実に上位と言っていい存在だが、レース傾向や初もの尽くしの条件から、ここはあえて逆らってみるのも手と言えよう。この馬を来ないと踏むのなら、今年も波乱が待っているかもしれない。