福島の土曜メインはダート1700mで行われるオープン「吾妻小富士ステークス」が開催。2・3番手あたりの先行馬が毎年のように絡んでくるレースで、先行力上位の馬から狙いたい一戦だ。
となれば前走の門司Sで2着だったアラジンバローズが重い印を集めそうだ。レース当日は重馬場ダートで前半5Fは59.5とハイペース。それでも渋ったダートらしく先行勢が強い競馬を展開し、勝ち馬ロッシュローブは好位追走から勝負どころで番手まで押し上げて快勝。アラジンバローズは4コーナー先頭から押し切りを図ったものの、惜しくも3/4馬身及ばずの2着だった。このペースでも楽に前目から追走できて2着なら、ここでもやはり上位と見てよいだろう。
ただ、昨年夏の薩摩Sでも重馬場のダートを好位追走から押し切って快勝しており、その前のインディアTでも重馬場を逃げって快勝と、小倉の水分を含んだ馬場に良績が集中しているのは気がかりだ。先行力は確かだが、渋ったダートでしか好走していない点から、“重馬場である”という点が好走条件となりそうだ。
とは言え、福島は前日の金曜が雨ということで今回も“恵みの雨”がこの馬の信頼度を高めてくれる。福島は意外にも初なのでコースの克服は必要となるが、この先行力でこのメンバー、さらに馬場も向いてくるなら今回も高いパフォーマンスは発揮してくれるだろう。力むところも徐々に制御が利くようになってきており、得意馬場のここは前目からスムーズな競馬ができる可能性は高そうだ。
昨年のインディアTを快勝後、鞍上の西村騎手が「このクラスにいる馬ではありません。」と強気のコメントを残していたのが印象的だったが、その後もしっかり勝ち上がってここまで上り詰めてきた。“渋ったダート専用機”というイメージが強く乾いたダートでは買い難い1頭だったが、能力は高く、雨でなくとも上位の存在と見て良い1頭。降雨で鬼に金棒となる今回は、素直に重い印を打つのか賢明に思える。