いよいよクラシック戦線の幕が開ける。牝馬三冠レースの第1弾「桜花賞」が開催だ。今年の3歳重賞を制した馬が6頭と好メンバーがそろったが、中心になるのは2歳女王のリバティアイランドだ。前走の阪神JFでは他馬を圧倒しての勝利で、頭一つリードしている。
直行ローテーションは近年もう珍しくもなくなり、阪神JF勝ち馬はこれまで2頭が桜花賞に直行して【1-1-0-0】と実際に結果も出している。3月10日に栗東トレセンに帰厩してからの調整は順調そのもの。不安材料はない。
唯一挙げるとすれば、“先行力の無さ”だろうか。ゲートは安定しておらず、テンの遅さも相まって序盤から好位をとっていくことは出来ない1頭だ。阪神マイルは基本的には末脚勝負になりやすく、同レースの傾向もその傾向が強く、上がりの速さがある馬から買いたい一戦だ。リバティアイランドは新馬戦でメンバー最速の上がり3F31秒4という驚異的な決め手を披露しており、この条件ならむしろマッチしているようにも思える。
しかし、今週後半はあいにく雨続き。道悪なら前から買いたくなるところだ。また、デビュー戦勝ちのインパクトから切れる脚の使い手という印象が強いが、使える脚は実際そこまで長くはない。とにかく前半は脚をしっかり溜めて置かなければならないので、スローのヨーイドンの瞬発戦となれば不利となる。
また、勝負どころで馬群をさばくのにモタつけばそれだけで届かないということもあるだろう。阪神JFかなりの乱ペースで、中段でじっとしていた馬が漁夫の利を得た感が強く、この馬も例外ではない。団子になって包まれればその時点で勝ち負けは厳しくなる。デビュー戦や実績のみで評価すると痛い目を見るということもありそうだ。
能力・実績上位は明白だが、マイルなら一つの不利で取りこぼす可能性は十分あり。ここはセオリー通り、とにかく前に行く馬を根こそぎ買うのが無難か。先週の馬場、レース当日の馬場を見てから再度考え直したいが、揃った条件は決して良い条件ばかりというわけではなく、ここは疑ってかかってみるのも手と考える。