【天皇賞春2018予想】G1馬はシュヴァルグラン1頭のみ、今年は小粒なメンバー構成

4月29日に行われる天皇賞春。昨年はキタサンブラック、シュヴァルグラン、サトノダイヤモンドと豪華な面々が顔を揃えレースを盛り上げてくれたが、今年の登録馬を見てみると、G1馬はシュヴァルグランの一頭のみで、登録された17頭中8頭が重賞未勝利という何とも寂しいメンバー構成となっている。

昨年ジャパンCを制してG1馬となったシュヴァルグランは天皇賞春は今年で3度目となる。一昨年は3着、昨年は2着と両レースともキタサンブラックに敗れており、悲願の制覇に燃えている。前走の大阪杯ではデビュー後初となる二桁着順の13着に敗れ大きく崩れているが、ライバルが不在で格下ばかりが相手となる今年は願ってもないチャンスだ。

大阪杯は距離不足が懸念され、休み明けに乗り替わりと条件もそこまで。レースでも直線で進路をカットされるなどの不利があり、この馬向きのレースとはならなかった。有馬記念に続き消化不良な敗戦になってしまったのは非常に残念だが、2年連続で好走している同競走は巻き返しを図るには絶好の舞台と言えるだろう。

キタサンブラックのレコードVの2着という昨年の結果からも長距離適性は高い一頭で、陣営も当初から一度叩いて本番というプランで調整をしてきているはず。ジャパンCを制したH.ボウマン騎手を確保してきたことからも、本気度が高さが伺える。

問題は相手だが、対抗馬の最右翼はおそらく菊花賞2着のクリンチャー。今年は京都記念から始動し、ダービー馬のレイデオロ、皐月賞馬のアルアインを抑えて快勝。馬場も重くなり条件が最高に噛み合ったものなので、京都記念の結果をそのまま当てにしすぎるのは危険だが、今回も馬場次第では勝ち負けになるだろう。

前走の阪神大賞典では序盤で折り合いを欠く面が見られ惜しくも3着に敗れた。長距離戦において折り合いは勝負の命運を分ける重要なファクターとなるが、同馬を管理する宮本調教師は「前走で課題に残った折り合い面をテーマに乗りやすいように修正してきました。」とコメントし、順調さをアピール。凱旋門賞への出走も視野に入れているだけに、ここは無様な姿は見せたくないはず。

天皇賞春のステップである日経賞を勝ち進めてきたのがガンコ。早めに上がってきたキセキを行かせると、4コーナーで再び先頭に立ち、その後は後続に抜かせず快勝。今年の始動戦の日経新春杯で3着に入着すると、続く1600万下の松籟S、日経賞と2連勝を果たし、勢いがある一頭だ。日経新春杯では52kgとハンデに恵まれての好走にも見えたが、日経賞ではきっちりと56kgを背負っての好走。前目で競馬が出来る点もここでは好材料となる。条件がピッタリ合いそうな舞台なだけに軽視はできない一頭だ。

スワーヴリチャード、サトノダイヤモンド、キセキなどの回避で出走メンバーは小粒感が否めないが、G1レースだけあってそれぞれの思惑が絡み合うスリリングな一戦となりそうだ。