長距離のG1が終わり、舞台はマイルへと移り次週はG1「NHKマイルC」が開催される。天皇賞春はG1としてはやや寂しいメンバー構成となったが、今回はなかなかの好メンバーが揃っている。
上位にはこれまで馬券圏内100%のタワーオブロンドンにギベオン、NZT・1着のカツジに2着馬のケイアイノーテックと有力馬がズラリ。前評判の高かったロックディスタウンやルーカスも参戦するが、近走は期待を裏切るレースが続いている。今回は人気を落とすことになりそうだが、巻き返しに期待するファンも少なくないだろう。牝馬のテトラドラクマは前走のクイーンCを制し東京マイルを2勝。桜花賞をパスして参戦という異例のローテだが、その東京巧者ぶりならそれも頷ける。このように、今年は例年以上に豪華な面々が揃った印象で、それぞれ大一番に向けてさまざまな思惑が絡み合うスリリングな一戦となりそうだ。
中でも注目が集まるのは前走のアーリントンCでレースレコードを記録したタワーオブロンドンだ。2走前の朝日杯FS(3着)では勝ち馬の勝ちっぷりに圧倒されて影が薄くなったが、前走ではペースが上がった中で切れのある末脚を披露し、さらにレコードVと、圧巻のパフォーマンスでNHKマイルCへの切符を手にした。
前に行きたがる馬が多く、速めのペースになる可能性が高い今回はタワーオブロンドン向きの競馬となる可能性が高い。東京コースは3走前の京王杯2歳Sで1400mを走っているが、ここでは持続力の高さ、軽い馬場の適性の高さを見せており、コースとの相性の良さも証明済み。エンジンの掛かりが遅いという弱点はあるが、トップスピードに乗ってしまえば質、持続力とも高いレベルの競馬を見せてくれる。そういった意味でも広い東京コースはこの馬向き。6月に開催される英G1のセントジェームズパレスSに登録したのも、そういった特徴が欧州にも向いてそうだからという理由からではないだろうか。
さらに好材料なのはC.ルメール騎手が騎乗するという点。マイラーズCではモズアスコットで2着、桜花賞はアーモンドアイで1着と今年はマイル重賞での活躍が目立ちます。今年のルメール騎手の1600mの成績を見てみると、【8-3-5-16】で複勝率が50.0%と好成績(4/27時点)。マイルでの信頼度は非常に高い騎手である。前走後、ルメール騎手はコメントで「とてもスピードのある馬なので、1200mがベストだと思っていました。しかし、今日は外回りで楽に勝ちました。また1600mもいけると思いますが、リラックスして走らなければいけません」と語っており、スピード能力の高さを高評価。前向きな気性ということもあり短距離向きだが、広い東京ならモマれずしっかりと走ってくれるのではないだろうか。
何れにせよ、この馬を中心とするなら馬券は組みやすい。今週は相手選びに力をいれてみてはいかがだろうか。