1998年のダービー馬、スペシャルウィーク(牡23)が死亡したことがJRAの報道室によって発表された。
日高大洋牧場の代表・小野田宏氏によると、スペシャルウィークは23日(月)の放牧中に転倒し、左腰を強く打ったとのこと。その後は馬房内で経過観察を行っていたが、27日(金)に馬房内で転倒しているところをスタッフに発見され、午後4時40分頃に死亡が確認された。
同馬は1997年にデビューし、主戦の武豊騎手とのコンビで新馬戦を快勝すると、その後も同コンビでダービー、天皇賞春秋などG1を4勝。武豊騎手に初めてダービーの栄冠をもたらした馬としても有名である。
ラストランとなった1999年の有馬記念では、直線で先頭に出たグラスワンダーを差し切るべく強襲しゴールし、誰もがスペシャルウィークが勝ったと思われた。ゴール後は武豊騎手とともにコースを一周しウィニングランをするも、写真判定の末、僅かの差でグラスワンダーが勝っていたことが判明。負けていたにもかかわらずウイニングランを行うという珍事が起こり、現在でも幻のウィニングランとして末永く語り継がれている。
引退して種牡馬になってからは一流馬を次々と輩出。特にブエナビスタは歴史に残る名牝となった。王道路線で数々の勝利を掴んできたその実績と、見栄えの良い馬体からアイドルホースとして多くの人気を集めてきた馬だが、上記で記したような珍事が起こったことなどもあり、色々な意味で多くの競馬ファンの記憶に残り、そして愛された馬であった。
2017年を以て種牡馬を引退。生まれ故郷の日高大洋牧場で悠々自適な余生を送り始めたばかりで、今回の不慮の事故はそんな矢先の出来事であった。スペシャルウィーク号のご冥福をお祈りします。