今週の土曜日、東京競馬場で行われるダービートライアルの青葉賞が注目を集めています。今年の牡馬クラシック路線は、皐月賞が終わるまでは混戦模様でしたが、重馬場となったことを味方に豪快な勝ち方をしたソールオリエンスが一躍中心に躍り出ました。
ダービーでは、ソールオリエンスを筆頭とした皐月賞組が中心になることが予想されますが、皐月賞には間に合わなかった隠れた実力馬がここから登場してくれることにも期待が寄せられています。素質馬として注目されながらも、なかなか勝ち切れなかったり、怪我で休養を余儀なくされて皐月賞に出走できなかった馬たちが、今年も集結しています。
注目の一頭は、ゴールドシップ産駒のマイネルエンペラーです。マイネルエンペラーはオークスを制したG1馬ユーバーレーベンの全弟で、デビュー時には良血馬として注目され、評判通りの新馬勝ちを収めましたが、その後3戦して勝ち切れず、人気は落ちてきているようです。
しかし、マイネルエンペラーに注目する最大の理由は、週末の悪天候です。この週末は土曜日から崩れそうで、良馬場ではない開催となる可能性が高いため、マイネルエンペラーが有利に立つ可能性があります。現時点での青葉賞の有力馬は、ソールオリエンスと同じキタサンブラック産駒のスキルヴィング、グランヴィノス、新馬戦で勝利したヒシタイカンあたりが有力です。これら3頭は33秒台の末脚で勝利しており、良馬場での末脚が武器になっています。
マイネルエンペラーは、上位勢に対して馬場悪化がマイナスとなる中、高い適性が見込めます。新馬戦の勝利時は良馬場でしたが、内が悪い馬場でした。全馬が直線では馬場の外側に進路を取っていた中、マイネルエンペラーは1頭だけ最内をついて差し切りました。これは、良馬場での33秒台の末脚勝負よりも力の要る馬場での勝負が適していることを示しています。
週末の悪天候で馬場が重くなると、有力馬よりもマイネルエンペラーにアドバンテージが生まれるはずです。良血馬や素質馬は、何かきっかけで結果を出し強くなっていくものですが、今回の青葉賞は、良血馬であるマイネルエンペラーにとって、そのキッカケとなるでしょう。
ということで今年のダービートライアルの青葉賞は、週末のちょうどいい悪天候が味方になりそうなG1馬ユーバーレーベンの全弟、マイネルエンペラーがその実力を開花させてダービーへの出走権を獲得してくれることに期待します。実績を考えればここは人気薄濃厚の穴馬。狙い目の1頭として注目してみてはいかがでしょうか。