今週はいよいよ日本ダービーの前哨戦「京都新聞杯」が京都競馬場で開催。本番のダービーを占う上で見逃せない一戦となる。
今年は抜けた馬が不在で上位拮抗の混戦ムード。オッズも割れそうな気配十分だが、そんな中でも人気を集めそうなのが前走のゆきやなぎ賞を快勝したサトノグランツだ。
3番手追走から直線は早めに動いていき、エンジンがかかるとみるみるうちに加速して差し切り、ゴール前で外から迫るサヴォーナを退けて勝ちきった。サトノダイヤモンド産駒で初の芝2勝を挙げ、今回は父が得意だった京都の舞台で連勝を狙う。
この馬は切れるタイプではなく、かなりズブさが目立つ馬。エンジンがかかってしまえば加速は素晴らしいが、それまでの運びが重要となってくる上、直線もブレーキがかかるような場面に出くわすと間に合わないだろう。出脚も反応もズブいだけに展開の助けが必要なタイプ。実力が拮抗している中でこのタイプを有力視するのは危険のようにも思える1頭だが、意外に条件は悪くない。
まずは京都コースへ替わる点だ。先にも述べた通り、父サトノダイヤモンドは京都を得意としていた馬であり、父譲りのスタミナも2200mの距離なら活きてくる。京都名物である3コーナーの坂の下りも同馬にとってはピッタリで、下り坂の加速を使って直線入り口でエンジン全開、という競馬がいかにも向きそうだ。
次は坂井瑠星騎手から川田将雅騎手へ乗り替わるという点。川田騎手とは昨年12月の未勝利戦でコンビを組んでおり、好位から抜け出す正攻法の競馬で快勝している。近年はしっかり先行させて脚を伸ばさせるスタイルが目立っているが、もともと豪腕で押していく騎乗が多かった騎手でもある。ズブさのある同馬との相性は良さそうだ。前走は坂井騎手も腕がモゲそうなくらいに追って何とか押せしていけたが、このあたりも川田騎手ならさらに上手くスピードにのせていけるのではないだろうか。
ズブさも下り坂が使える京都の2200mという条件ならフォローも効き、闘魂注入されてからの速さは抜群。東京2400mという条件も向きそうで、ダービーでも見たい1頭だ。川田騎手がお手馬でダービーへ臨めるかどうか、先々まで目が離せない1頭だ。