【ヴィクトリアマイル予想2018】ソウルスターリングは本当に終わってしまったのか?

最近めっきり鳴りを潜めてしまったソウルスターリング。昨年のオークス以来、掲示板にすらのれないレースが4戦も続いている。昨年秋の毎日王冠で初めて牡馬相手に走ったが、結果は8着と惨敗。その後も天皇賞秋(6着)、ジャパンC(7着)という具合に調子を落としていった。

今年初戦の阪神牝馬Sでは、オークス以来の牝馬限定戦ということでメンバー的にも3歳時に勝負付けが済んだ馬が多かった。レース当日も2番人気と久しぶりに上位人気に推され、復活に期待する声も多かった。しかし、終わってみれば10着とデビュー以来の最も低い順位に敗れる結果となった。

昨年の今頃は「女王」だ「怪物娘」だと言われていたソウルスターリングが、まさか1年後の今「早熟」「終わった」とまで言われるとは思っても見なかった。つくづく競馬というのは何が起こるか分からない世界である。

「早熟」か?それとも一時的な「スランプ」か?

早熟なのか、一時的なスランプなのかはハッキリしないが、昨年の秋以降はとにかく良いところが一つもない。父のフランケルや母スタセリタも使っていって良くなっていった馬なので、原因は精神面にある可能性も高いとは思うが、先週の京都新聞杯では同産駒のタニノフランケルが最下位に敗れ、同世代のミスエルテも2歳以降凡走が続いており、2歳や3歳でピークを迎えるような傾向が産駒に見え始めているのも事実である。

「牝馬は一度調子を落とすと取り戻しに時間が掛かる」とよく聞くが、一時的なスランプだとするならまずはこの馬向きの競馬をさせて調子を取り戻してもらいたいところ。これまでのレースからソウルスターリングの得意な競馬を振り返ると、ベストは2000m以上で高速馬場であると筆者は見ている。

ヴィクトリアマイルは東京競馬場・芝1600mのコースを使用。水捌けも良く高速馬場化している東京競馬場が舞台なのは良いが、あいにく今週は週明けから雨が続いており、レース当日も雨の予報となっている(5/10時点の予報)。馬場が悪化するなら割り引いて考える必要がありそうだ。

距離についてだが、桜花賞のスピード勝負で負けていることや、走法がしなやかなストライドであるといったことからも、2000m以上の長いところの方が向いてそうな印象がある。仏オークス馬の母スタセリタも真っ当な中距離馬なので、マイル路線に専念した陣営の選択は個人的には英断ではなかったと感じている。

ペース的には流れた方が良く、共同会見でルメール騎手が「リラックスできれば」と繰り返しコメントしていたように、とにかく掛からずスムーズな流れで競馬をしたい。今回カワキタエンカという明確な逃げ馬がいるが、スローに落として好走したレースも多く、鞍上予定の大野騎手もハイラップで逃げるようなイメージもない。前走の疲れも懸念されている馬にハイペース逃げを期待するのも厳しいのではなかろうか。

上記で挙げた点を振り返ってみると、距離・馬場・展開といずれも大きく信頼できる要素はなく、見解としては厳しい評価をさざるを得ない。もしソウルスターリングを買うとするなら、おそらく今回はこれまでで一番人気も落ちると思われるので、そこあえて狙って買うということくらいだろう。調子の読み難い牝馬のレースで、過去には2000万円馬券という超高額配当も飛び出しているレースということもあり、波乱に期待するのは大いにアリなレースだ。ソウルスターリングあたりの中穴馬なら、平気で絡んできてもおかしくない。今年も難解な一戦となりそうだ。