いよいよ今週は2018年世代の頂上決戦である日本ダービーこと東京優駿が開催となります。先月の皐月賞からこの日を待ちわびていたという方も少なくないでしょう。朝日杯FSを圧倒的パフォーマンスで勝ち、昨年の最優秀2歳牡馬に選出されたダノンプレミアムが挫跖(ざせき)により皐月賞をまさかの回避ということで急遽主役不在となってしまい、ファンにとっても、勝ち馬エポカドーロにとっても消化不良な皐月賞となってしまいました。
それだけに、復帰が本番に間に合ったことで俄然盛り上がりをみせる日本ダービーですが、過去10年勝ち馬を眺めた時、10頭中8頭が前走皐月賞を走っているというダノンプレミアムにとって歓迎しづらいデータが見えてきます。順調に駒を進めてきた陣営のほうが数字上は圧倒的有利を示しているのです。
それでも2頭の例外があるというのはやはり競馬に絶対はないという格言を思い起こさせるのに十分な数字ですが、その2頭の共通点を探ったときに、ダノンプレミアムではない別の馬にチャンスを見出すことができました。まず、皐月賞を出走することなくダービー馬の栄冠に輝いたその2頭というのが、2008年NHKマイルCとの変則二冠を達成したディープスカイに、2013年、毎日杯・京都新聞杯連勝から一気に突き抜けたキズナです。そして、その共通点というのが毎日杯勝ち馬であるという点。
当然毎日杯からダービーへ向かった馬もほとんどが玉砕してはいますが、皐月賞を経由しないローテーションの中では圧倒的に期待値が高いと言えます。そんな毎日杯の今年の勝ち馬は、ここまで3戦無敗で駆け上ってきたブラストワンピース、昨年から一気に信頼度の高まったハービンジャー産駒です。キズナ、ディープスカイと異なる点は毎日杯以降にステップレースを使わず日本ダービーへ直行してきた点があげられます。
このブラストワンピースは新馬戦では5番人気、続くゆりかもめ賞(500万下)では2番人気、そして毎日杯では1番人気と、その走りで徐々に人気を勝ち取ってきたタイプの馬で、今度のダービーでも非皐月賞組ながら上位人気での出走が目されています。また、過去10年のデータを参考としましたが更に少し遡るとキングカメハメハもディープスカイと同様のローテーションでのダービー制覇でした。
そして、あくまで非皐月賞組は順調さを欠いたローテーションということで、ほとんどが日本ダービー本番では穴馬扱いとしての出走になりますが、前記3頭に関してはいずれも1番人気での出走となります。ブラストワンピースは一叩き足りないのと、ダノンプレミアムが強固な支持を得そうな点から良くて2番人気となりそうですが、それでも毎日杯組としては上位の支持となります。
キズナは5年前、ディープスカイは10年前、キングカメハメハが14年前ということで、4~5年周期と考えたら今年のブラストワンピースはそろそろ出番かもしれません。