いよいよ今週は3歳世代の頂点を決める一戦「日本ダービー」が開催。

主役は何と言っても無敗の皐月賞馬ソールオリエンスだろう。その皐月賞では、スタートで後手に回り、4コーナーでもほぼ最後方と絶望的なポジショニングに思われたが、次位を1秒近く上回る上がり3F35秒5の末脚で追い込み、2着に1馬身1/4差をつけてゴールと、圧巻のパフォーマンスを披露して快勝。

ここで見せた強烈な末脚は、府中でさらに威力を増しそうな気配だ。実際、最後の1Fが圧倒的に速く、まだ奥はありそうだ。大舞台での好パフォーマンスが大いに期待される。

史上最少の3戦目で皐月賞を制して4戦目でのダービー挑戦と、ダービーに合わせて消耗を最小限に抑えたピンポイントのローテーションが組まれてきた。ここは不安が全くなさそうだが、果たして本当に不安はないのだろうか？

まずは今一度皐月賞のレースを振り返ってみよう。同レースは重馬場ながら1000m通過タイムは58秒5というハイペースで推移。差し・追い込み馬向きのレースとなったと言えよう。また、通ったところは馬群の大外、馬場もほぼ傷んでいない部分からの追い込み。上がり3Fも最速とは言え、重馬場の中で上がり3F35秒5だった。

2走前の京成杯も内が傷んで時計がかかる馬場で、これまで高速決着を経験していない点はややネックとなりそだ。東京の速い時計、軽い芝でどれだけやれるのは未知数だ。

そしてもう一点の不安が、同馬の“操縦性”にある。前走の皐月賞はじっくりと構えて脚を温存し、直線は大外ぶん回しという内容だった。また、2走前の京成杯では4コーナーで外へ膨らみ、他馬に迷惑をかけるシーンも見られた。

東京コースは今週から仮柵が内に移動してCコースとなる。“イン前有利”となれば、外を回して末脚を活かす競馬となると届かない可能性は出てくるとも言える。

そうなれば、ホープフルSを番手追走から抜け出して快勝したドゥラエレーデや、共同通信社杯を先行抜け出しの競馬で快勝したファントムシーフなど前目から強い競馬を展開してきた馬の方を狙ってみたくもなるだろう。

重馬場となればソールオリエンスにアドバンテージが生まれそうだが、良馬場のCコース替わりとなれば改めて評価を見直し必要があるかもしれない。