阪神競馬の土曜メインは宝塚記念の前哨戦「鳴尾記念」が開催。波乱の目立つ難解レースということで今年も伏兵の台頭には十分警戒しておきたいところだが、重賞2勝のソーヴァリアントは実績面からみても盤石のように思える。
その2勝も今回と同じ舞台となる阪神2000mで行われたチャンレンジC連覇という内容だから信頼度は高い。そのいずれもで手綱を握ったC.ルメール騎手とのコンビとなればまさに鬼に金棒状態と言えるだろう。
しかし、それでも不安が拭いきれないのは上位人気が不振という同レースの傾向だけでなく、同馬の前走の大敗にある。
前走の中山記念は単勝オッズ2.3倍の1番人気に推される人気を集めるも、レースは直線本来の伸びを見せず9着に凡走した。陣営も「敗因が分からない」とコメントするなど不可解な負けっぷりだっただけに、ここも素直に信頼していいものかと疑問に思うファンは少なくないはずだ。
2ヶ月の休み明けで馬体はプラス12kgと状態面が整っていなかったという説もあり、そうであれば馬体や追い切りが上昇を感じさせるものであれば、巻き返しも期待できよう。
ただ、パドックでは浮ついた様子で年齢の割に幼いそぶりを見せるなど気性面での不安を覗かせていた。デビュー戦でも、結果1位入線したがゲート内で落ち着かず出負けしていた馬で、もともと気性面の不安を抱えていた馬。前走の凡走の原因が不明であるという点からも、精神的な要素が原因で走らなくなっているなら、次も怖い。
実績上位の阪神巧者で好相性のルメール騎手と好条件が揃っている1頭ではあるが、不可解な負けっぷりを見せた前走の内容、さらに前走後に予定していた大阪杯も状態が整わずに回避していることも考慮すると、この馬の取捨はかなり慎重になる必要があると言えよう。