春マイルの頂上決戦「安田記念」がいよいよ開催。今年は白毛のヒロイン・ソダシをはじめ、昨年覇者のソングライン、2着馬のシュネルマイスターと猛者が揃った。
どの馬が来てもおかしくない実力馬が揃ったが、実績面や展開面で最も注目したいのは、前走の大阪杯を逃げ切ってG1初制覇を果たしたジャックドールだ。
マイルへの距離短縮は今回が初。さらに週中から続いた雨の影響でタフな馬場となった際にどうかなど懸念はあるが、強豪相手に逃げ切った脚力は無視できないだろう。
まずはマイルへの短縮だが、2000mを主戦場としてきた同馬にとってこの距離は当然不安視される。ただ、パンパンの良馬場のマイル戦となれば疑ってかかりたくなるが、雨の影響でタフな馬場となればむしろ好都合。時計がかかれば距離への不安も軽減されるはずだ。
また、もともと東京のマイルは2000mもこなせるスタミナやスピードの持続力が問われるタフなコースだ。スピード一辺倒というだけでは勝ちきれな同いコースは、2000mを逃げて勝ち切った実績のあるジャックドールにとってはむしろマッチしているとも言えよう。
問題はもう1頭の逃げ馬候補、ウインカーネリアンとの兼ね合いだろう。こちらも勝機はハナに立っていけるかどうかにかかっている馬で、ここに絡んでいくとなると序盤から消耗して、もたなくなる可能性も出てくる。鞍上の武豊騎手がこのあたりをどう展開してくるかがカギとなりそうだが、ウインカーネリアンがスムーズに出て主張してくるようなら、無理せず番手に着いて先行していくのではないだろうか。
ただ、直線序盤あたりからソダシやメイケイエールあたりも進出してくるだろうし、ハナをきれない展開となると先頭に立つのはかなり厳しくなってくるように思える。
ウインカーネリアンも3走前のマイルCSではゲートで立ち上がって大きく遅れており、今回は海外のダート明けという不安もある。普段とは違う臨戦過程でリズムが崩れているなら、スタートで再びミスをする可能性も十分に考えられるだろう。そうなれば、ジャックドールに一気に勝機が出てくるかたちとなりそうだ。
いずれにせよ、大阪杯を逃げ切った実力は本物。ここも制してG1連勝を果たすのか。スタートから目が離せない1頭と言えるだろう。