今週は秋の中距離路線を目指す馬たちが集結する一戦「エプソムカップ」が東京競馬場で開催。
過去10年のデータと傾向を見ると、「1番人気」は【1-2-1-6】を勝ちきれておらず、「3番人気」も【1-2-0-7】と好走率は低く、上位人気が不振だ。不良馬場開催だった2020年は人気薄2頭が絡んで421万馬券の高額配当が飛び出しており、馬場が渋りやすいこの時期は波乱決着も想定しておきたいところだ。
今年は前走のダービー卿CTを制したインダストリア、昨年のエプソムカップで4着だったジャスティンカフェ、前走の都大路Sを快勝して駒を進めてきたエアファンディタなど、有力馬が多数参戦。ただ、抜けた馬はおらず、上位拮抗の混戦ムードが漂う。
中でもとくに危険な人気馬として警戒したいのが、前走の府中Sを快勝して参戦するレインフロムヘヴンだ。
今年初戦の初富士Sで4着、続く湾岸Sで2着、前走の府中Sで1着と着実に力を付けてオープン入りを果たした。東京2000mで行われた府中Sの1分57秒8も優秀で、同条件のウェルカムSも全く同じ走破時計で2着に好走している。
1800mではどうかという不安はあるが、東京巧者であることは明白。D.レーン騎手とは【2-1-0-0】と相性が良く、前走からの継続騎乗で今回も人気を集める1頭となりそうだ。
ただ、冒頭でも述べた通り“1800m”というところが不安材料となる。2000m以上の距離を主戦場としてきた馬で、1800mは2戦して8着、13着と崩れている。個人的な見解としては、スローからの末脚勝負の展開には強いが、速い時計には向かないという印象を持っていた馬で、終いの脚も切れると言うほどでもない。マイルの距離で実力を発揮しきれるかどうかはいささか疑問だ。
もう1点気がかりなのは、“状態面”だ。前走の府中Sは馬体重マイナス12kgと大幅に減らしてきている。追い切りでも馬格がやや乏しく見え、今回が明け5戦ということで上積みの期待度も低い。このレースを最初から想定して使ってきたというわけではないので、果たしてお釣りがあるかどうか。
今回東京で絶好調なD.レーン騎手が騎乗ということで人気も集まりそうだが、過剰人気を呼びやすい騎手が乗っている馬ということもあり、シビアに判断したい1頭ではなかろうか。