春の東京開催ラストを締めくくる重賞は障害G3の「東京ジャンプS」。長い距離を走りたくない中堅どころが毎年接戦を繰り広げており、順当に決まりやすいG1よりも予想のし甲斐がありそうだ。
今年はそんな中堅どころの代表格であるホッコーメヴィウスが主役の最有力候補。
昨年の東京ジャンプステークスは番手追走からケイティクレバーの2着。一昨年も好位追走からラスト伸びて2着と、同レースとの相性は抜群だ。昨年は新潟ジャンプS、阪神ジャンプSと障害G3を連勝し、今回と同じ舞台で行われた10月の東京ハイジャンプでは、ハナをきってゼノヴァースの2着に好走。G2で好メンバーを相手に上位争いできる能力や舞台適性の高さはメンバー最上位。ここはこの馬で盤石のように思われる。
ただ、気がかりなのは半年以上も実戦から離れていたという点。暮れの大障害に出走しなかった理由についても明かされておらず、距離や舞台の問題だったのか、状態面が整っていなかったのかなど、ファンの間では同馬の動向について様々な憶測が囁かれている。
東京コースは4戦して全て2着とオール連対。崩れない安定感は魅力だが、勝ちきれていないという点にフォーカスを当てるなら信頼し切るのは危険とも考えられる。
東京の障害3110mは、最終障害をクリアしてからゴールまで400m弱の平地の直線がある。道中の障害センスも問われるが、最後は平地の脚も求められるコース設定となっている。時計が出やすい今の東京なら平地力の高さで差が出てくることもあるだろう。ホッコ―メヴィウスの平地力も十分に高いが、久々で脚を伸ばしきることが出来なければ、芝オープン勝ちの実績もあるロードアクアや、最近まで芝を走っていたトライフォーリアルあたりに足元をすくわれる可能性もありそうだ。
ここまで長く休養していたのは初めてなだけに、状態面については慎重に見極めたい。