梅雨時期の開催ということで波乱の決着も目立つ春のグランプリレース。過去10年で「6~9番人気」が【3-3-2-32】と高頻度で馬券に絡んでおり、このあたりの伏兵馬の取捨が重要になってくる。
今回狙い目として最も注目しているのは、前走のクイーンエリザベス2世C・5着から参戦する、ダノンザキッドだ。
2走前の大阪杯では3着、香港C・2着、マイルCS・2着とG1戦線で上位争いを演じており、地力は上位。ただ、イクイノックス、ジャスティンパレス、ジェラルディーナらG1馬よりは実績的には一枚落ちる存在で、「6~9番人気」あたりの中穴クラスに落ち着く可能性は高そうだ。
まず魅力は“阪神巧者”であること。阪神コースは【1-1-2-0】で馬券圏内率は100%。コース適性への不安は無い。問題なのはむしろ“距離”だろう。マイルでの良績が目立っており、初挑戦となる2200mの距離をこなせられるかどうか。ここをどう判断するかで取捨が分かれそうだが、前半が速くなりやすい宝塚記念において、マイルG1で好走出来ているのはアドバンテージと考える。
前走のクイーンエリザベス2世Cは2000mで5着に敗れているが、スローからの瞬発力勝負で参考外とも捉えられるレースと言えるだろう。ハイペースとなった2000mの大阪杯では3着に好走しており、この内容は心強い。
枠は2枠3番と内目。今年は内馬場も良さそうで、この枠は良枠と言えよう。逃げ馬候補のユニコーンライオンやドゥラエレーデは外枠で、このあたりを行かせて自身は内の経済コースを通ってというプランが理想的か。鞍上の北村友一騎手とは2月の中山記念・11着以来と前回は大敗しているが、出していって掛かり癖が再発しての敗退とこちらも敗因は明確だ。北村騎手とはデビュー戦でコンビを組んで勝利しており、その後もマイルCS・2着、香港C・2着と中山記念以外のコンビ成績は優秀である。手は合うと見て良いだろう。
中山記念は人気を背負って前から受けて立つような立場でもあったので、騎手の心理的にも乗り難しいところがあったのかもしれない。今回は気楽に行ける立場で、枠も嫌うようなポジションではなく有利に持ち込める可能性が高いところ。この条件ならリラックスして脚を溜める競馬に持ち込むことが出来るのではないだろうか。
メンバー構成的に今回は妙味大アリということで、狙い目の1頭として有力視したい。買う身としてはレース当日までどうにか上位人気に推されないようにと願う気持ちもあるが、この馬の魅力をどうしても伝えたいという想いもあり、今回は不本意ながら記事で推奨させていただいた次第だ。