賞金加算が必須だったモズアスコットはオープンの安土城Sに出走し2着に入線。しかし藤沢厩舎がまさかの3頭回避でなんとか安田記念への出走が叶いそうです。
体調が整わないという理由ならまだしも、登録した4頭のうち調子の良い馬1頭を残してあとは回避させるというやり方は個人的には賛同しかねますが、馬優先主義を標榜する藤沢師にしてみれば、「当然のことをしたまで」なのかもしれません。確実に賞金を加算することが出来なかったモズアスコット陣営にも責任があるとも言えるでしょう。
いずれにせよ、連闘での挑戦は決して良い臨戦過程とは言えません。モズアスコットにとってはここが正念場となりそうです。
これまでのレースを振り返ってみますと、今年は3戦して全て2着入線と勝ちきれないレースが続いている状況です。ただ、2走前のマイラーズCでは京都のマイルで先行して1:31.5と走破時計は優秀。力をつけてきたという印象はありますし、マイラーズCの勝ち馬のサングレーザーや3着馬のエアスピネルとの比較で見れば今回も勝ち負けになる実力の持ち主です。
前走の安土城Sのレース内容ですが、スタートで出遅れて追い込んでの2着なので、想定以上の負担はかかってしまったという印象はあります。未勝利クラスと違い、今回は強豪揃いのG1での連闘です。状態の少しの差が着差に影響を及ぼすことになりかねないということを考えると、前走を使ったことがやはり大きな不安材料となります。
前走の安土城S後、同馬を管理する矢作芳人調教師は「調整に関しては疲れを取ることが主眼です。連闘は私の得意なローテーションですから何の心配もしていません。」と強気のコメントを残しております。確かに矢作厩舎は間隔を詰めて好勝負させるのが目立つ厩舎で、連闘が多い印象がありますが、「何の心配もしていない」と言い切れるほど楽なローテーションではないはずです。
昨年度から今年にかけての矢作厩舎の連闘実績を見てみると【1-0-1-21】とそこまで好成績とは言えない成績で、1着はカフジフェニックスの未勝利戦で、3着はホウオウドリームで条件戦とクラスが低いところのみの実績です。他厩舎ですが、過去に連闘でG1を好走した馬にはシルクロードSから安田記念に出走して優勝した武邦彦厩舎のバンブーメモリーや、マイルチャンピオンSからジャパンCに出走して2着に入線した瀬戸口勉厩舎のオグリキャップなどがおりますが、やはり稀なケース。
厩舎にとって連闘は驚くようなローテーションではないかもしれませんが、前走がタフな競馬となってしまったことと、G1連闘という厳しいローテーションであることを念頭に置いて予想をしたいと思います。状態面さえ良ければ好勝負が期待できる馬なのは確かなので、追い切り内容や当日の馬体重、パドックでの様子などを見て、とにかく状態面を把握することに努めたいです。