2日、イギリスのエプソム競馬場で英ダービーが行われ、ブックメーカー各社に断然の1番人気のオッズに推されるほどの人気を集めたディープインパクト産駒のサクソンウォリアーは4着という結果に敗れました。ディープインパクト産駒による日・英ダービー制覇とはなりませんでしたが、近年は世界各国で好走が目立つディープインパクト産駒。今後も国内外問わず活躍していってもらいたいですね。
さて、英ダービーが行われたエプソム競馬場と姉妹提携した東京競馬場では10日、その姉妹競馬場の名前に因んで付けられた「エプソムカップ」が行われます。
ここでも注目を集めるのはやはりディープインパクト産駒。重賞は未勝利も、2走前の洛陽Sで差し切りVを決め、前走のメイSでも3着に好走したサトノアーサーや、前走マイラーズC・5着のベルキャニオン、2年1カ月の長期休養明けを克服して府中Sを快勝したグリュイエールなどが人気を集めそうです。
コースは東京競馬場の芝1800mを使用。1,2コーナーの間にあるポケットからのスタートとなり、斜めから2コーナーに入って向正面に合流するという変則的な形となっております。3コーナーまでは約750mとある程度距離はありますが、コーナーの途中からのスタートという独特な形状からもペースはスローになりやすい傾向にあります。そのため、上がりがメインの瞬発力勝負となることも多い特徴があります。
実際に、過去10年では上がり1位の馬が3勝を挙げており好成績(3-2-1-7)。差し馬の好走が多く(5-2-4-66)、ディープインパクト産駒も3勝を挙げるなど(3-2-1-12)、同産駒にとって持ち味が活かしやすい舞台となっております。
サトノアーサー、上り調子で念願の重賞初Vに挑む
とうことで、今回ディープインパクト産駒の中でもとくに注目しているのが「サトノアーサー」です。セレクトセールで1億9500万円で取り引きされたディープインパクト産駒で、武器は同産駒らしい切れる末脚。デビュー2戦目のシクラメン賞では32秒7の強烈な末脚で差し切り、期待の素質馬として早くも注目を浴びました。
しかし、きさらぎ賞・2着、毎日杯・2着と重賞では善戦どまり。期待されていたクラシック路線ではダービー・10着、菊花賞・11着に敗れ、期待を裏切るかたちとなってしまいました。結局重賞Vを果たせぬまま4歳となった今年は、初戦のリゲルSで2着、2戦目の洛陽Sで1着、前走のメイSで3着と善戦ぶりは健在。今回は菊花賞ぶりの重賞挑戦となりますが、好調をキープしているので、そろそろここらで重賞タイトルを取りたいところでしょう。
切れる末脚が武器であることは上述でも記しましたが、エンジンの掛かりが遅いのがこの馬の難点でもあります。ダービーの時にように馬群に包まれてしまうと置かれてしまう危険性があります。広い東京コースは救いとなりそうですが、ブレーキをかけることなく進めることができるかどうかが好走のカギとなりそうです。神戸新聞杯では5番手から追走して3着に好走しているので、好位で進める競馬もアリ。いずれにせよ、本来の末脚を引き出すにはスムーズな競馬が求められるところです。