福島・中京が開催され、いよいよ夏競馬も本格化。今週は七夕の週ということで、馬券に願いを込める「七夕賞」が福島競馬場で開催される。
力上位と言える存在は昨年のラジオNIKKEI賞の勝ち馬、フェーングロッテンだ。
昨年5月の白百合Sを快勝してオープン初勝利を挙げると、夏初戦のラジオNIKKEI賞を快勝し、続く新潟記念も3着に好走。重賞は6戦中5戦が馬券圏内と安定感は抜群で、中距離重賞戦線で安定したパフォーマンスを挙げている。
圏外に敗れたのも明らかに距離が長かった菊花賞の15着のみで、この敗戦は度外視していい。福島コースは1800mのラジオNIKKEI賞を制しており、緩みのないペースを中団前目から追走して差し切った。2000mの距離は問題とはならないだろう。
昨年と違うのは同馬の“脚質”。今年初戦の中山金杯を逃げて3着に粘ると、続く金鯱賞と鳴尾記念もいずれも逃げの競馬を展開しての2着と、近走は逃げて粘る競馬が板に付いてきた。
スムーズに逃げて自分の競馬ができればここでも安定して勝ち負けを演じてくれそうだが、今年は同系が多いのがネック。近3戦の重賞はいずれも番手以上の位置で先行しているショウナンマグマをはじめ、不良馬場の新潟大賞典を逃げて2着に粘ったセイウンハーデス、逃げか番手からの競馬で4連勝中のバトルボーンなど、有力な逃げ・先行馬が揃っている。
上昇度で見れば連勝で勢い付いているバトルボーンの方が上で、発馬の良さもセイウンハーデスには一枚劣る印象。彼らを相手にしてテンで脚を使ってしまえば、後半の信頼度は一気に落ちてくるだろう。
前走の鳴尾記念は番手から伸びてきたマリアエレーナを差し返しての2着と地力は見せたものの、良馬場を平均ペースで逃げ、早々に並びかけられて引き離しきれずとパフォーマンスとしてはもう少しやれてよかったという印象もある。勝負どころで少しズブさも見せており、有力先行勢が揃った今回でパフォーマンスを上げてこれるかどうか。
実績や舞台・距離適性の高さからここは上位人気に推される可能性が高いが、不安要素も揃っている1頭なだけに、慎重に検討する必要がありそうだ。