【ジャパンダートダービー予想2023】JRA勢の真の大将は〝この馬〟だ

3歳ダートの頂点を決める一戦「ジャパンダートダービー(JDD)」がいよいよ開催。今年は地方からは無敗の南関東三冠がかかるミックファイア、中央からは兵庫CSで6馬身差の圧勝飾ったミトノオーなど、地方勢と中央勢が熱き戦いを繰り広げてくれそうな気配だ。

両者の戦いも大きな見どころの一つとなりそうだが、筆者が注目しているのは未勝利戦から前走の青竜Sまで3連勝中のユティタムだ。

父は史上2頭目の無敗で米クラシック3冠を達成したジャスティファイ。母ジペッサも米G1馬という超がつく良血馬で、セレクトセールでは2億円で落札された超良血馬。

札幌のダート1700mで行われた新馬戦は2着だったが、スタートで出遅れた上に1コーナーで外に膨れるなど序盤から幼さを見せ、4コーナーでは勝ち馬にかぶされるなど苦しい競馬を強いられながらもしぶとく踏ん張っての2着だった。勝ち馬ペリエールはその後、ヒヤシンスSとユニコーンSを快勝。ユティタム自身の走破時計自体も優秀で、重賞でも十分戦える下地はある。

その後は未勝利戦をあっさり快勝し、1勝クラス、オープンクラスの青竜Sと危ない競馬で3連勝を達成。良いかたちで2歳シーズンを終えてオープン快勝と、臨戦過程も極めて順調だ。

能力面ではメンバー上位といったところだが、問題は初の2000m、初の大井がどう出るか。気性面でも前向きさがあるだけに短い距離が良さそうな気配はある。ただ、同世代なら2000mでも十分勝負は可能と見る。

時計のかかりやすい阪神ダートの1800mでも2戦2勝と好成績を挙げており、父はアメリカダート三冠馬のジャスティファイ。実績と血統面だけでも期待度は上がるが、さらに信頼度を高めているのがその走法。トビは高く、首の使い方も古馬並みに上手く、ストライドの伸びも大きく一完歩が大きい。これは血統通り、スピードの持続力が備わっている証拠だ。

28日には栗東Wで6F79秒1の好タイムをマークすると、5日には同コースでラスト1F10秒8という破格の伸び脚を披露。この日のCWの追い切りでラスト1F11秒を切ったのは本馬のみで、今回のメンバーで終いの決め手でこの馬以上の脚が使える馬は少ないはず。

ミックファイアも同タイプということで、どこまで脚が続くか2頭によるマッチレースも、大きな見どころの一つとなるだろう。同じJRA勢にもミトノオーという強力なライバルがいるが、ユティタムも臨戦過程、距離、能力などあらゆる要素でこの2頭に引けを取らない。JRA勢の真の大将はユティタムと見ており、ここは絶好のパフォーマンスを期待したい。