3歳限定のダート重賞「レパードステークス」で主役候補として注目を集めるのは、未勝利・1勝クラスを連勝中のミスティックロアだ。無敗の3冠馬・コントレイルのおじにあたる厩舎ゆかりの良血馬ということで、デビュー時から期待度は高かった1頭である。

阪神1800mを3戦して2勝2着1回と安定感は抜群で、この距離はベスト。無事に抽選を突破し、重賞タイトル獲得へ向けて準備は整った。

古馬も含めた好メンバーを撃破し素質の高さを示してきたが、この時期の3歳馬らしくまだ気性面での課題は残る。返し馬からうるさい面を見せており、ゲートもガタガタするところがある。これまで素質の高さだけで好走してきたが、一気にメンバーが上がるここは素質以上の競馬が求められるだろう。

まずは初の新潟コースが合うかどうかも大きなポイントとなってくる。新潟のダート1800mは平坦コースで坂はないが、コーナーの角度は急だ。要所での器用さが求められるコース形態となっており、気性面の課題がある馬にとっては鬼門となる。また、走法的にも跳びが大きいタイプ故、コーナリング力においては上位とは言えないだろう。

同馬の脚質もこのコースにおいては不安要素となる。新潟コースは平坦故に前半のペースは速くなりやすい。直線は約350mとダートコースにしては長い方だが、坂もなく、きついコーナーも相まって前残り傾向がやや強めだ。実際、過去10年のデータと傾向を見ると先行馬は「5-4-4-18」、逃げは「2-4-1-5」と逃げ・先行馬の好走が目立つ。

ミスティックロアのデビュー戦は出負けして大味な競馬で2着。続く未勝利戦は早めに押し上げて差し切ったものの、ここでもスタートは出遅れて序盤は控えている。前走の1勝クラスは中団追走から勝負どころで進出しての差し切り勝ちといった内容だ。ここでも後方からの競馬となれば、最後届ききるかどうかはいささか疑問だ。

気性面、スタート、器用さの課題が残るのは新潟コースにおいては大きな不安要素となりそうで、克服すべき課題はかなり多いということは覚えておきたい。勢いや実績的に上位人気に推される可能性が高いだけに、取捨を慎重に判断するべきだろう。