今週は毎年好メンバーが集まる“スーパーG2”の「札幌記念」が開催。1番人気の最有力候補は昨年の覇者・ジャックドールだろう。
今年初戦の大阪杯では見事な逃げ切り勝ちを果たし、G1初制覇も達成。前走の安田記念はスタートがひと息だったが、押し上げて外の2番手を確保。残り100mまで先頭で頑張ったが5着までに終わった。
その後は予定通り放牧を挟み、昨年と同じく札幌記念の3週前に函館入り。入念に調整して1週前追いはWコースで5F65秒9ー1F12秒3で軽快な伸び脚を見せている。ここまでの臨戦過程は順調だ。
スピードの持続とタフな流れに強く、昨年はパンサラッサやユニコーンライオンらが引っ張り、流れる展開を漁夫の利で快勝。今年も逃げたい馬がおり、引っ張ってくれる可能性は高そうだ。
ただ、昨年と違うのは「マイルからの距離延長」と「馬場」。これまで2000mしか走ってこなかった馬故にマイルを使われたことの影響がどう出るか。馬場については昨年は時計のかかる馬場だったが、今年は時計が出やすい馬場。今年はタフさよりもスピードの持続力が求められそうな気配がある。
また、出走予定馬を見る限り昨年より相手強化は否めない。ジャックドール自身も当然1年前よりは成長していると思うが、シャフリヤールやプログノーシスといった有力馬を相手に勝ちきるのは簡単ではないはずだ。
距離延長や馬場といった要素は不安材料と言えば不安材料だが、プラスに考えるなら、もともと速い馬場のレース質は得意な馬ではあったし、安田記念でマイルのスピードを経験した点がプラスに働くと見るならむしろ好走も信頼できるとも言えよう。
いずれにせよ、昨年とは勝手が違うのは事実。この条件や臨戦過程でも勝ち切ることができるなら、秋の大舞台でも期待度は上がってくるだろう。