今週は真夏の小倉の高速スプリント重賞「北九州記念」が開催。波乱多き夏のハンデ重賞ということで、一筋縄ではいかない難解な一戦だ。
1番人気は過去10年で【0-3-1-6】と好走率はかなり低め。2番人気にいたっても【1-0-2-7】と上位人気は大不振だ。人気馬でも疑ってかかるのがセオリーと言えよう。
今年の1番人気は、前走の葵Sを逃げ切ったモズメイメイが最有力。抜群のロケットスタートを決めるとそのまま自分のペースで逃げて押し切った。前走のようなスタートがきれれば序盤で大きなアドバンテージが取れるだろう。
ただ、やはり好走は好スタートが切れることが大前提となり、出遅れ一発でリズムは崩れるというリスクもある。前走のロケットスタートはあくまでおまけと捉え、これを差し引いて評価をする必要はあるだろう。
また、相性の良い武豊騎手から松若風馬騎手へ乗り代わるという点も気がかりだ。同じ冠名で同じ逃げ馬のモズスーパーフレアの主戦騎手を務めた彼なら印象は悪くなく、積極策もお手の物という印象もあるが、モズスーパーフレアとは三度も北九州記念に出走して4着、2着、3着と勝ちきれていない。
同じ逃げ馬、同じ冠名、同じ音無厩舎、同じくロケットスタートができる牝馬ということで共通点は非常に多いコンビだが、そのモズスーパーフレアとのコンビで勝ちきれていない実績から、今回も善戦止まりとなるのではないかという懸念は拭えない。実際、武豊騎手が乗っているレース以外の出脚はそこまで良いわけではなく、武豊騎手との相性が良いだけなら乗り替わりという時点で割り引きたくなる。
次は、54kgのハンデだ。前走の好スタートや重賞2勝の実績が評価されてのものだろうか、3歳牝馬としては背負わされた印象が強い。個人的には53kgあたりで挑戦できるだろうと読んでいたがので、古馬と初対戦という中でこの斤量なら疑ってかかりたくなる。
1番人気の不振、出遅れのリスク、乗り替わり、ハンデと、今回は信頼に値するほどの好条件が揃っているわけではないため、危険な人気馬になるということも覚えておきたい。