今週は夏の小倉の出世レース「小倉2歳S」が開催。近年は勝ち馬が出世するケースが急激に増えてきており、出世レースとしても注目を集める一戦だ。
今年の主役候補はデビュー戦で6馬身差の完勝を果たしたビッグドリーム。
来週は兄のビッグシーザーがセントウルステークスに出走予定となっており、兄弟2頭ともビッグアーサーの後継種牡馬として注目を集めている。
とにかくデビュー戦の勝ちっぷりは圧巻で、好発から3番手を取ると、直線は独走しノーステッキで6馬身差と圧勝だった。前走516kgと雄大な馬格の持ち主で、首差しも短くまさにスプリンターといった気配を感じさせている。小回り・平坦コースの小倉1200mなら、前走以上のパフォーマンスを発揮してくれる可能性もありそうだ。
デビュー戦のパフォーマンス、血統、馬格などからここは優勝候補の最右翼に目されそうだが、不安材料ももちろんある。
派手な勝ち方を見せた新馬戦だったが、メンバーレベルはそこまで高くはなかったのではないかと見るファンも少なくない。というのも、負かした相手9頭のうち次走を走ったのは7頭おり、その全ての馬が順位を上げられなかった。メンバーレベルがそこまでだったのなら、人気が先行してしまっている可能性は十分にありそうだ。
また、全兄が平坦高速スピード持続耐久戦を苦手としており、この馬も同じ適性を持っている可能性もある。メンバーレベルがそこまでだった低速福島の舞台では派手なパフォーマンスを見せることが出来たが、レベルが一気に上がる高速小倉の舞台では危険視した方が良いのではないだろうか。
キャリアの少ない2歳戦ということで参考にできる材料が少なく、不安要素についても推測の域を出ないが、逆に言えば信頼しすぎるのも危険。全頭に言えることでもあるが、人気が集まるビッグドリームならなおさらで、結論を急がず慎重に検討すべき1頭であると言えよう。