昨年の紫苑Sの覇者スタニングローズは、次走の秋華賞を快勝。2021年の覇者ファインルージュも、続く秋華賞で2着に好走するなど、近年は同レースの好走馬がこぞって秋華賞で活躍。牝馬三冠最終戦のトライアルレースとして、見逃せない一戦だ。

今年最も注目を集めるのは、キタサンブラック産駒期待の3歳牝馬ヒップホップソウルだ。春のクラシック組が少なく、低調なメンバー構成ということでここは実績的にも最上位の存在と言っていいだろう。

前走のオークス・6着は今回のメンバーの中では最上位の内容。道中はやや掛かりながらも、後ろ目の内でロスなく運んでいく競馬を展開。直線では内から抜群の手応えで華麗に前の馬を交わして進出する見せ場を作った。最後は外から交わされてしまったが、直線序盤で見せた動きは先を楽しみにさせるものだった。高速馬場の2400mに対応できたのも収穫で、2000mへ短縮させるここはパフォーマンスも上がってくるのではないだろうか。

この馬の不安は何と言っても“中山コース適性”。キタサンブラック産駒の中山成績が悪い点は気がかりで、ヒップホップソウル自身も後半キレ味を生かせる東京の方が合いそうな印象を受ける。個人的には東京マイルあたりがベストなのではないかという見立てだ。

前走の直線序盤の手応えは抜群だったが、使える脚自体はそこまで長くなく、ハイペースで脚を削られるのは良くない。タフな流れになりやすい中山ではどうかというのが最大の懸念だ。道中かからず、4コーナー持ったままでまわってくるなど最後の決め手が生きるような競馬を展開できればチャンスはありそうだが、このあたりは自分との戦いにもなってくるだろう。

前が有利になりやすい開幕の中山でも地力上位を証明できるのかに注目だ。