今週はスプリンターズSへ向けた注目の前哨戦「セントウルステークス」が開催。スプリント路線の中心を担う馬として取り上げたいのは、名スプリンターを多く輩出してきた名門・安田隆行厩舎が送り出すアグリだ。
かつてスプリンターズS・3連覇を果たした安田師も今年が現役最後の秋。最後のスプリンターズS制覇へ向けて、陣営も高い本気度を持って臨んでいることだろう。
昨年8月の1勝クラスを快勝してから破竹の4連勝で阪急杯を制覇とこの路線で頭角を現してきた期待馬だ。2走前の高松宮記念・7着、前走のチェアマンズスプリントプライズ・5着と近2戦は敗れているが、高松宮記念は不良馬場に苦しみ、チェアマンズスプリントプライズは慣れない海外遠征ということで、大目に見て良い敗戦だったと言えよう。
阪神コースは【3-0-2-0】と好成績で、得意舞台へ替わる点は好材料。1200mの勝利実績がない点だけが気がかりだが、番手追走から抜け出して快勝した阪急杯の内容を見る限り、対応は十分可能であると感じる。
今年は快速で飛ばしていくタイプも少なく、先行策に苦戦することはなさそうな気配。状態面さえ整っていれば問題はなさそうだが、その状態面が唯一の不安だ。
気がかりなのは、海外帰り初戦という点。初の海外戦で、約4ヶ月半とここまで間隔が空くのも久々だ。前走後にどこまで状態を戻してこれているかがポイントとなる。追い切りの動きを見る限りでは悪いということはなさそうだが、勝ちきった経験がない1200m戦でいきなり好勝負を演じることはできるのか。
主戦の横山和生騎手が負傷してしまい、父の横山典弘騎手へと急遽乗り替わった点も気がかりだ。こういう時の横山典弘騎手はやってくれそうな気配はあるが、やはり主戦騎手からの乗り替わりはプラス材料とは言い難い。
実績、能力、コース適性は間違いなくメンバー上位。海外帰りの影響や乗り替わりの壁を跳ね返し、実りの秋へ突き進めるかどうかに注目だ。