香港遠征明けとなるダンビュライト。去年の菊花賞ぶりに手綱が武豊騎手に戻りますが、最近重賞では不調が目立っているだけに、主戦への乗り替わりとは言えプラス材料と捉えて良いものかと迷われているファンも少なくないのではないでしょうか。
武豊騎手はここ4ヶ月重賞を勝てておらず、その間1番人気馬を6頭も負かしている状況です。5月に騎乗停止から明けてからも僅か2勝と、重賞以外のレースにおいても勝てておりません。何とかかつてのコンビ馬で勝利を掴み、不振の現状を打破したいところでしょう。
とは言え、ダンビュライトの方も大阪杯・6着、香港のQE2世C・7着とG1を2連敗中。今年初戦のアメリカJCCを勝利し重賞タイトルを獲得してはおりますが、欲しいのはG1のタイトル。人馬ともに春の総決算を勝利で気持ちよく締めたいところでしょう。
“恵みの雨”となるか?好条件が揃いそうな宝塚記念
梅雨の時期に開催されるということもあり、例年馬場は重くなる傾向にある宝塚記念。今年も日曜日の天気は雨の予報となっており、馬場は重たくなる可能性が高そうです。
道悪巧者のダンビュライトにとって馬場が渋るのは大歓迎。デビュー戦は不良馬場で圧勝し、2戦目のサウジアラビアRCも稍重で2着に健闘しています。その後も重馬場のきさらぎ賞で3着、極悪馬場となった菊花賞でも5着と道悪を苦にせず好走しています。
鞍上の武豊騎手も、自身のオフィシャルサイトにて当日の降雨を願う内容の日記を投稿。「この馬が道悪巧者だってことを多くの方は忘れてしまったかもしれませんが、当日もこんな雨が降ってくれたらなと、本気で思っているほどです。G1レースはいいお天気でやったほうがいい、と普段から言っているボクですが、今回ばかりは雨希望です。そうなればチャンスありと思っています。」(「武豊Official Site」のDIARYより引用)
血統は昨年産駒がデビューしたばかりのルーラーシップ産駒。同じく出走するキセキも父ルーラーシップですが、同馬が極悪馬場の菊花賞を制したことからも、道悪適性の高さは血統面でも証明済み。キセキも今回注目の有力馬の一頭ではありますが、今回は2200mということで距離的にはダンビュライトの方に分がありそうです。
同距離のアメリカJCCを今年勝っている点も心強いですし、近戦は2000m前後のレースに絞って走ってきている点も好材料。スタートが上手く、前へ付けていける脚質も魅力です。キレがあるタイプの馬ではありませんが、キレが求められる京都や東京と違い、阪神は最速ラップで速い競馬が求められることは少ないレース。宝塚記念はダンビュライトにとって比較的好走条件が揃いそうなレースと言えそうです。
しかし、その分パワーやスタミナを要するレースであるとも言えます。香港遠征明けで疲労が残っているようなら、アドバンテージをうまく活かせずに終わってしまうということも十分考えられるでしょう。1週前の追い切り内容は武豊騎手も跨っており内容も悪くありませんでした。あとは馬体や最終追いの内容を見て判断したいと思います。
強みを生かせる競馬ができるかどうか。人馬ともに活躍が期待されます。