今週は牝馬3冠最終戦である秋華賞への大事なトライアルレース「ローズS」が阪神競馬場で開催。

優勝候補の最右翼は前走東京2000mの1勝クラスを快勝したブレイディヴェーグだ。叔母にオークスと秋華賞の勝ち馬ミッキークイーンを持つ良血馬で、リバティアイランドの三冠を止める可能性がある馬として注目が集まる1頭だ。

前走の1勝クラスは見事な勝ちっぷり。時計が出やすい馬場であったこともあるが、勝ち時計の1分57秒9はかなり優秀だ。また、これまでのキャリア3戦全てで上がり3F最速をマークしており、しまいの脚は堅実。末脚も相当なものを持っているが、この馬の評価を高めているのは“レースセンスの高さ”だ。

これまで3戦全てで出遅れているが、その後は二の脚を利かせて折り合いを欠くことなく好位を取ってリカバリー。それでいて最後もしっかり末脚を伸ばしており、この時期の馬ではなかなか見れない芸当だ。

とくに前走の1勝クラスは好内容。スタートは煽って1馬身ほど遅れたが、ここでもしっかりリカバリーして中団を追走。4コーナーでも外から被され早めに動くかたちになってしまったが、馬なりのまま鋭く反応して進出し、スムーズに先頭へ。そしてラストは強めに追われてノーステッキで2着馬に3馬身半突き放しての快勝と、見事な勝ちっぷりだった。ポテンシャルは相当高く、重賞初挑戦でも即通用すると見て間違いないだろう。

強いて不安材料と挙げるとするならば“状態面”だろう。

体質の弱いところがある馬で、間隔を空けながらここまで来た。「使うたびに骨折していた」と陣営がコメントするなど、脚元のアクシデントが多かった。前走の内容やレース後の追い切り、陣営から発表されている情報を見る限り今回は問題なく調整されてきているようだが、初の関西遠征などもあり、調整面については慎重に見極めたいところ。

とは言え、本来7月時点ですでに使える状態ではあったというコメントも出ており、脚の状態は早くから問題はなかった様子。しかしタイミング的に使えるレースが福島しかなかったため、この馬の舞台適性を考慮すると東京の方が合いそうということで、9月まで待ってという臨戦過程になったようだ。陣営は早めの栗東滞在など工夫もしており、プラスの情報も多い。

これまでのレースぶりからもセンスと能力は上位。力を発揮できる状態であると判断できれば、迷わず重い印を打ちたい1頭と言えるだろう。