レモンポップが回避したことにより、人気の中心に浮上してくるのは帝王賞・4着から参戦してくるハギノアレグリアスだ。
2020年秋から屈腱炎により1年8か月の休養を強いられたが、復帰後は重賞で4戦続けて連対を果たしており、実績を着実に積み上げてきた。前走の帝王賞は4着に敗れたが、中団の外をまわりながら3~4コーナーでは機動力を見せて外から一気に押し上げた。最後は甘くなったものの、このメンバー相手に勝ちに行く競馬で見せ場は作ってくれた。負けて強しの内容だったと言って良いだろう。
先行してなおかつ上がりを使える馬であり、阪神ダートの連対率は100%、鞍上は阪神のトップリーディングの岩田望来騎手と好条件は多く揃っている。勝ち味に遅いところはある馬だが、この条件なら中心視で間違いないように思える。
最大の不安となりそうなのは58.5kgのトップハンデだ。これまでで一番背負った斤量は57kgとなっており、ここまでのハンデを背負って普段のパフォーマンスを発揮できるかどうか。後傾戦で高いパフォーマンスを発揮するタイプで、前半ハイでタフ馬場といったような条件が当日加わってくるならこれらも疑う材料にはなってくるだろう。過去最大の斤量を背負いながらペースや馬場も向いてこないとなれば、ここも善戦止まりという結果に終わってしまう可能性も十分ある。
ただ、メンバーレベル弱化でレモンポップも不在というメンバー構成なら、ある程度の壁があっても大きく崩れることはなさそうな気配もあり、馬券的には軸馬として申し分ない1頭であるとも感じる。ここを弾みにして秋のG1戦線へ良い流れで乗っていけるかどうにも注目だ。