今週から東京競馬が開幕し、いよいよ秋競馬も本格化。東京競馬の開幕週を飾る重賞は「毎日王冠」。複数のG1の前哨戦に位置付けられているということもあり、毎年レベルの高いメンバーが集まる一戦。今年は2021年の毎日王冠の覇者で、同年のNHKマイルCの勝ち馬でもあるG1馬、シュネルマイスターが人気の中心となりそうだ。
2021年の毎日王冠を快勝後は勝てておらず、しばらく勝ち星から遠ざかっていたが、2走前のマイラーズCでは大外から上がり3F最速32秒9の末脚で差し切り久々に勝利。続く前走の安田記念でも後方から上がり最速32秒8の脚で追い込んで3着に好走。しっかりと復調気配を示してきた。
タフな馬場では割り引きが必要なタイプだが、開幕週の東京で天候も晴れとなれば引き続き高いパフォーマンスを発揮してくれるはず。近2戦はマイルで好走しているが、ズブいところもある馬で、長い直線の東京1800mはむしろ合う。2000mの弥生賞・2着の実績もあり、この距離延長はプラスに働きそうだ。
ここでも安定して上位争いを演じてくれそうな気配はあるが、当然課題もある。器用なタイプではなく、後方一辺倒の競馬しか出来ないという点がここでもネックとなるだろう。前走の安田記念も3着と健闘こそしたものの、手綱を握ったルメール騎手がレース後に「もっと速いペースなら」とコメントしているように、ペースに左右されやすいところがある馬だ。
開幕週の馬場でスローペースともなれば、ソングラインやセリフォスといった鋭い脚を使える有力馬達に屈してしまう可能性は十分に考えられる。そんな中でいつものように後方から直線大外一気という競馬で全頭を交わしきれるかどうかはいささか疑問だ。
少なくとも平均ペースくらいでは流れほしいというのが正直なところで、条件付きの狙いとなってしまう。流れが落ち着きやすい距離と舞台なだけに、今回も展開面が着順を大きく左右させる可能性は高そうだ。