競馬と言えば、熱狂的なファンがいたりテレビ番組として成立するほど人気の高い競技だ。サラブレッドはもちろんだが、その馬たちを乗りこなす騎手も「プロ」として活動している。一応、プロという肩書を持っている以上は「スポーツ」という認識でも問題ないと言えるのだろうが、「国営ギャンブル」と銘打たれた競技である以上はやはりギャンブルとして認識するのが適切である。
「ギャンブル」とはそもそも何か?
そもそも「ギャンブル」という定義自体が比較的曖昧なもので、明確にこれだという決まりがある訳ではない。例えば、競馬や競輪・競艇・オートレースといった競技は「公営ギャンブル」と呼ばれ、パチンコやスロット・麻雀なんかもギャンブルと呼ばれる。ブックメーカーは投資の様に思えるかもしれないが、前例に沿って考えれば単なるギャンブルでしかない。カジノはもちろんギャンブルであるし、高額な商品(家やマンションなど)を購入することも一種のギャンブル的な認識を受ける。
ギャンブルの定義となるものは主に「金銭および物品を掛けて争い、勝者が財物を得て敗者は失う」と言ったものである。ここで言う争い(勝負)には「偶然性」があることが必須条件となっており、必然性の高い勝負しかできないような環境である場合にはギャンブルとは言わない。必ず勝者が決まっている状況、これは「イカサマ」である。これは対戦者同士にのみ当てはまるものでは無く、プレーヤーとディーラーのような胴元に対しても使われる表現だ。
競馬はギャンブルなのか?スポーツなのか?
競馬には確実な偶然性が存在している為、形としては歴としたギャンブルであるということが言えるだろう。そもそも公営ギャンブルという名目なのだから当然と言えば当然だ。しかし、それはあくまでも「賭ける側」から見た視点に限ったことであり、見方を変えれば全く逆の見解に至る。賭ける側の反対、つまりは「サラブレッドに関わる職業」に就いている人たちの事である。ジョッキーはサラブレッドを上手にコントロールし、その馬本来の能力を発揮できるようにしたり、その日のレース展開によって勝つ為の戦略を練ったりする。これは明らかに「アスリート」という見方が出来るため、彼らから見た場合には間違いなく競馬は「スポーツ」であるということが言える。
結論として、ギャンブル・スポーツどちらともとれる競技であるという事になる訳だ。賭ける側と掛けられる側ではスタンスが違うのは当然なので、双方の性質を持っていて然りである。しかし、双方の性質を持つがゆえにたくさんの人々がその2つが生み出すシナジー効果に魅了され、他に類を見ない面白さを体験することができるのもまた事実である。