いよいよ今週は秋の中距離王決定戦「天皇賞・秋」が開催。札幌記念・1着から参戦するプログノーシスや、昨年牝馬二冠を果たしたスターズオンアース、昨年のダービー馬ドウデュースなど有力馬が揃っているが、今年は2022年に続いて連覇を目指すイクイノックスが断然の人気を集めることになりそうだ。
無傷の6連勝で凱旋門賞を制したエースインパクトをおさえてロンジンワールドベストレースホースランキングで1位にランクインし、世界一の競走馬として注目を集めているイクイノックス。現時点で国内外においてこの馬以上の人気を集める馬はいないのではなかろうか。
東京、新潟、中山、阪神と国内コースはもちろんのこと、海外ではドバイとどんなコースでも速い上がりで差し切ってくれる安定感のある決め手はまさに世界トップクラス。キャリア8戦6勝、2着2回で連対率は100%。ここ1年に限れば勝率は100%という圧倒的な成績
一見死角はなさそうに見えるが、そんな最強馬にも当然不安要素はある。一つ目は“斤量”だ。昨年の天皇賞・秋では上がり3F32秒7という驚異的な末脚で差し切る強い勝ちっぷりを見せたが、古馬として参戦する今年は昨年よりも2kg重い斤量を背負うことになる。
前走の宝塚記念では58kgを背負って勝っているので、斤量は問題にならないという声も聞こえてきそうだが、2着に敗れた昨年の皐月賞と日本ダービーは57kgを背負っていた。また、58kgを背負った前走の宝塚記念も勝ったとは言え、タイム差なしの僅差であり、今まで一番差を詰められたレースであった。57kg以上を背負った時のパフォーマンスが他と比べて劣っているのは事実である。
そしてもう一つが、“仕上がり”だ。大目標はこの後のジャパンCであることはすでに発表されているが、このジャパンCのメンバーが強敵揃いだ。天皇賞・秋も好メンバーが揃ってはいるが、より強力なメンバーが揃う次走へ向けてここは慎重な調整が求められる。
ここは叩きの一戦で、次走で100の状態に仕上げるとするなら、ここは60~80程度に仕上げて臨むということは十分考えられるだろう。
これらの要素を踏まえてもまだ十分に買える1頭であることも確かだが、パフォーマンスが落ちる斤量を背負った秋初戦となれば、これまでのようにはいかないというパターンも十分に考えられると言えるのではないだろうか。