競馬と言えば、血統が重要ですよね。競馬ゲームから入ったファンの方は特に馬券を買う上でも血統を重要視されるかと思いますが、ゲームと違って現実の世界では時として、まったく見向きもされないような血統の馬が活躍したりします。日本での代表格ならオグリキャップ、世界に目を向けるとサンデーサイレンスなどもその類でしょう。
そんな渋い血統馬がエリート馬をなぎ倒すといった構図は、いつの時代の競馬ファンも胸をアツくして応援してしまうものです。今年デビューの新種牡馬の中にも、かなり通好みの渋い馬がいます。
それが、ベストタイザン号。2004年6月10日ホッカイドウ競馬でデビュー。その後、園田競馬へと移籍し、園田ダービー4着。4歳時には交流重賞兵庫ゴールドトロフィ4着と善戦し、その年の兵庫県競馬の特別敢闘馬に選出。明けて5歳、園田フレンドリーカップで重賞初制覇を成し遂げ、この勝利を皮切りに園田金盃を含め6連勝をマーク。6歳時も年明けから園田フレンドリーカップ連覇を含む4連勝を記録し、JBCスプリントに挑戦するも10着。しかし、返す刀で出走した笠松グランプリで遠征競馬初勝利。そして2009年は笠松の白銀争覇、サマーC、名古屋の梅見月杯、東海桜花賞と主要レースを総なめにし、ダートグレードレースでも差のない競馬を続け、兵庫県競馬の年度代表馬に選出。園田競馬の一時代を築いた名馬と言ってもいいでしょう。
そしてその後、中央牧場で種牡馬入り。このニュースを知ったとき、まず種牡馬入りできたことに驚いてしまいましたが、当然種付けされたのはすべて中央牧場の馬たち。2014年産まれの2頭はともに牝馬ということもあり、競走馬登録されるか怪しいところです。むしろ期待は、2015年産まれの母アイファインバンドの牡馬。母は、荒尾→佐賀で通算8勝と目立つ成績は残していませんが、祖母がエリザベス女王杯2着のトウショウアイ。近親馬のアイチャンルックもロジータ記念の勝ち馬と、いわゆるクズの出ない血統です。さすがに中央からのデビューは考えづらいですが、むしろ園田からデビューなんてほうが夢があっていいですよね。父の壁を超えるような活躍、ダートグレード競走に名前を連ねるようなことになれば・・・。これぞ、まさに競馬の醍醐味ですよね。