かつて日本ダービーの勝ち馬は出走資格が得られなかったことで、ダービーの敗者復活的な性格を帯び、「残念ダービー」という呼び方で親しまれるようになったラジオNIKKEI賞。その規定が廃止されたあとも一昔前まではよく呼ばれておりましたが、最近ではその呼称もあまり使われなくなってきたように感じます。
ということで、今週末からは福島競馬が開催。3歳ハンデ重賞のラジオNIKKEI賞が開幕週の日曜メインを飾ります。
この時期の3歳馬ということでキャリアの少ない馬の出走も多く、さらにハンデが効いて格下が激走するケースも多いことから、非常に難解なレースとしても有名です。キャリアの少ない馬が多いということで得られる情報は多くはありませんが、少ないながらも各馬の実績やキャリアは貴重な判断材料となります。
過去10年の3着以内馬30頭中20頭は、オープンクラスのレースで5着以内に入った経験がある馬だったというデータがあります。さらに、この20頭中重賞で掲示板以内(5着以内)だった馬は14頭おりました。オープンクラスで5着内だった馬の好走率は高く、さらに重賞で5着内だった馬はより信頼度が高いと見て良さそうです。
今年の出走メンバーで重賞で5着内の経験がある馬は5頭。この5頭の馬が出走した重賞の中で、レベルが高かった重賞で実績を残した馬として注目しているのが、京成杯で3着だったイェッツトです。
京成杯1着のジェネラーレウーノは後の皐月賞で3着に入線し、2着馬のコズミックフォースは日本ダービーで3着と、いずれもクラシックのG1で活躍。3着だったイェッツトは、後方の内で競馬を進め、直線で外に誘導されると狭いところを割ってしぶとく伸びていっての3着という内容でした。
新馬戦直後の2戦目という点を考慮すれば十分過ぎる内容でしたし、その後も4戦目のプリンシパルSでコズミックフォースと再戦して僅差の3着に健闘しております。コズミックフォースを物差しで考えれば、ローカルG3のここなら十分主役を張れるでしょう。
血統は先月目黒記念を勝利したウインテンダネスと同じカンパニー産駒。この勝利で6年目にして産駒初の重賞馬を排出しました。ここも勝利して良い流れを作りたいところでしょう。父のカンパニーは一瞬で抜け出す瞬発力がありましたが、イェッツトはまだエンジンのかかりは遅い印象。直線の短い小回りの福島コースは前が有利になりやすく、アドバンテージを取れるかどうかという不安もありますが、同産駒のウインテンダネスは福島コースを2戦2勝、父のカンパニーもラジオたんぱ賞・2着の実績があり、血統背景的には走ってもおかしくはありません。
父カンパニーは8歳にしてG1勝利を果たした遅咲き馬。イェッツトにもまだまだ伸びしろがあると思いますので、将来性にも期待です。ここはイェッツトに重賞上位の能力があると見て、有力視したいと思います。