秋の東京開催もいよいよ今週が最終。大トリを飾るのは国内競馬の最高峰「ジャパンカップ」だ。
今年は日本のG1馬7頭に加え、海外からは仏G1・2勝のイレジンが来日、地方馬のチェスナットコートも参戦予定と豪華メンバーが集結。そんな中で一挙に注目を集めているのが、G1・5勝の最強馬イクイノックスvs牝馬三冠リバティアイランドのカードだろう。
圧倒的なまでの指示を集めそうなイクイノックスの相手選びという見方をしているファンも今年は多そうだが、その対抗馬の最有力候補に目されているのがリバティアイランドだ。
今年は秋華賞を危なげなく差し切って、見事に三冠牝馬に輝いた。今回は6馬身差で圧勝したオークスと同じ舞台で、斤量54kgのアドバンテージもある。古馬を打ち砕いて世代・性別を超えた強さを証明してくれるのか。楽しみは尽きない1頭だ。
54kgの斤量恩恵がある中で、持ち味である強烈な末脚が生かせる得意の舞台となれば、あのイクイノックスを交わし切ることも十分考えられるだろう。イクイノックスはスーパーレコードの反動が気になるぶん普段より信頼度は落ちそうで、スローペースの秋華賞を余裕を持って勝ちきったリバティアイランドの方が臨戦過程は良い。
全体的に不安は少ない1頭だが、早くからこの馬を追っているファンとしては近走の馬体の変化にも気付いてきているはずだ。春と比べて筋肉量は増し、馬体の成長に伴いどんどんと距離適性がマイル化してきている印象が強くなっている。
また、母系の血統を探っていくと、短距離で早熟タイプという分類にも分けられそうなタイプであり、血統背景的には距離を伸ばしていくとパフォーマンスは落ちていきそうな雰囲気はある。初の古馬のスピードに対応できるのかという点も未知も未知であり、今回は逃げ馬候補であるパンサラッサもいる。同馬がスタミナを問うレースを展開していくとなれば、最後止まってしまうということもあり得るのではないだろうか。
優秀な実績、強烈な末脚、斤量の恩恵、臨戦過程などを考えると弱点はかなり少ない1頭と言えるが、そもそもの距離適性がここではないとすれば、取りこぼす可能性も十分にありそうだ。