香港G1の香港ヴァーズに出走予定だったシャフリヤール(牡5、藤原厩舎)は、主催者による馬体チェックの結果不整脈の問題をかかえている疑いがあると判断されたため、同レースの出走を取りやめすることが決定。7日、同馬を所有するサンデーサラブレッドクラブが公式ホームページで明かした。
香港ジョッキークラブのレース前検査は国内と比べても厳しく、このように直前での取りやめは珍しくない。陣営が何とか出走できないかと掛け合っているところを見ても、十分に走れる状態面には仕上げられてきていたに違いない。人気上位馬であった同馬が不在となるのは残念だが、日本勢にはもう1頭優勝候補が存在する。前走のセントライト記念を制したレーベンスティールだ。
前走を走るまでの5走はすべて芝1800m戦だったが、前走のセントライト記念では初の2200mを見事に克服して快勝。道中は無理せず追走して脚を溜め、勝負どころで上がって上がり最速33秒9の脚で突き抜けた。
先に進出していったシャザーン(3着)に合わせるような形で出ていき、タイミングも抜群。皐月賞馬のソールオリエンス(2着)が後方から一気に伸びてきたが、これを1馬身3/4差突き放すという圧巻の競馬。前走の内容を見ても、距離的な不安は少なく、地力も上位の存在であることがわかる。
先行も控える競馬もできるが、レースセンスは良く、どんな舞台、どんな展開でも速い上がりをマークしてくる安定感の高い馬でもあり、これまでのキャリア6戦全てで上がり最速をマークしている切れ者だ。今回もある程度前目につけていく好位追走の競馬が理想的で、スムーズに脚を溜めることがさえできれば、ゴール前を大きく盛り上げてくれる1頭になるのではないだろうか。