今週はキャリアの浅い2歳馬同士による頂上決戦「朝日杯FS」が開催。まだレース経験の浅い2歳馬を比較するのは難解だが、今年は新馬戦に次ぐ連勝でオープン入りを決めたダノンマッキンリーが人気の中心となりそうな気配。
母は2012年の英1000ギニーの勝ち馬、伯父には07年の凱旋門賞馬ディラントーマスがいる良血馬で、セレクトセールでは2億4000万円で取引された高額馬だ。デビュー前から期待と注目を集めていた馬で、2戦2勝の無傷のキャリアでここまでしっかりと期待に応えてきた。
阪神1400mで行われたデビュー戦は好スタートからスムーズに先行し、直線は早々に抜け出して快勝。続く京都1400mの秋明菊賞ではスタートで出遅れたが、控えて脚を溜め、直線は上がり最速の脚で差し切った。先行か控えるかはスタートや枠次第ということになりそうだが、この2戦でどちらの競馬もできることを証明しており、少ないキャリアながらも信頼度を高めてくれている。
最大の懸念は“初のマイル戦”であるということだろう。キャリア2戦はいずれも1400m戦で、やや前向きすぎる面がある馬なだけに1Fの距離延長に対応できるかどうかが課題となりそうだ。
過去データを見ると、朝日杯FSが初のマイル戦となった馬は過去10年で【0-3-2-45】と連までは絡むも勝ちきれていない。課題はとにかく折り合えるかどうか、これに尽きる。鞍上は過去2戦で手綱を握った川田将雅騎手からC.ルメール騎手へと乗り替わりとなる点も評価がし難い点。無理に抑えず行かせがちなルメール騎手とならハマる可能性は十分あるが、気性面に課題がある2歳馬で、初のマイル戦で距離延長組と決して条件は楽ではない。8頭立ての少頭数だった前走から一気にフルゲート戦となると、余計に折り合いのハードルも上がってきそうだ。
素質の高さは十分に高い馬であることは確か。あとはルメール騎手がどこまでこの馬のポテンシャルを引き出すことができるか。荒削りだが面白い1頭なだけに、すべての不安要素を克服しての快勝も期待したくなる。