昨年の春のクラシック二冠を制した実力馬スターズオンアース。
2走前のヴィクトリアマイルと前走のジャパンCではいずれも3着に惜敗しているが、タイプ的には高速馬場の東京コースでは狙いにくくなるタイプ。
エンジンのかかりもやや遅い馬なので、早めに動いていくロングスパートの競馬がこの馬の持ち味が一番活きる競馬だ。最近はとくにスタートも甘くなってきており位置取りも後ろ目。桜花賞やオークスの時のようにトップスピードのギアに入れてスムーズに伸びていくことができれば直線は大きな見せ場を作ってくれそうだ。
これまで11戦して【3-4-4-0】と馬券圏内率は100%。どんな条件でも堅実に上位争いを演じてくれる安定感の高い馬で、能力・実績を考えてもここはこの馬を最上位の評価とするファンが多いのではないだろうか。
この馬の不安要素は2つ。「中山のコーナリング」「キャリア最短のレース間隔」。
コーナリング力は決して上手い馬ではないので、コーナー6回をまわりながら一線級の古馬を相手にするのは見た目以上に難しいかもしれない。中山コースは1600mのフェアリーS(2着)で経験しているが、ゴール前は内にモタれていたのか鞍上の石橋騎手がが制御に苦心している姿が見られた。内へのモタれ右回りコースが原因だとするなら、スムーズさを欠く可能性は上がりそうだ。
そして2つ目の、キャリア最短のレース間隔で参戦するという点については、状態面がどうかという点に尽きる。今月はじめにルメール騎手とのコンビで有馬記念への参戦が発表されたわけだが、本来は年々休養というプランが立っていた馬で、今月に入って急遽参戦へ切り替えたかたちとなる。中間や追い切りなどを見ても上昇度が一気に上がったというよりは平行線のイメージ。ジャパンC・3着の激戦から中3週というローテーションで力を十分に発揮できるかどうかは疑ってかかってもいいかもしれない。
今回は1・2番人気を争う人気馬となりそうだが、意外と厳しい条件が揃っているということも覚えておきたい。