いよいよ中央競馬最後のG1「ホープフルステークス」が開催だ。
人気の中心となるのは前走京都2歳Sを制したシンエンペラーだ。後方待機から3コーナーで徐々に先団に進出し、直線では馬群を縫うように割って抜け出す差し切り勝ちと強い勝ちっぷりで重賞初制覇を果たした素質馬だ。
2着馬を0秒1差交わすギリギリの勝利ではあったが、スムーズな競馬でなかったことを考えれば着差以上に強い競馬であったと言えよう。キャリア1戦での重賞V、全兄に2020年凱旋門賞馬ソットサスがいるという良血ぶりからも、期待度は高い。当日は1番人気を競う人気馬となるだろう。
とは言え、前走は道中かかるところも見られ、この気性をムルザバエフ騎手が乗りこなせられるかがカギとなりそうだ。さらにポイントとなるが展開面。前走はしっかり流れたが、極端に流れが落ち着いた際にキレる脚を使えるかどうか。展開をどう予想するか、そして鞍上の手腕をどう評価するかでこの馬の評価も分かれそうだ。
それでも厳しいレース経験をしていない2歳馬が多い中でこの内容は大きなアドバンテージとも言える。コーナー4つのコースでの好走実績もあり、輸送も経験済み。わずか2戦のキャリアながら経験値は最上位と言っていいだろう。前走の走破時計も優秀で、素材だけで幼さをカバーしきれるのではないかというくらいに高いポテンシャルを感じさせている。
ムルザバエフ騎手も昨年のホープフルSを14番人気の伏兵ドゥラエレーデで快勝しており、同レースの勝ち方も把握している。番手追走から抜け出す横綱相撲で見事な好騎乗を披露したが、今年はシンエンペラーでどんな競馬を見せてくれるのか。新馬戦のようにスムーズにゲートを出てくれれば昨年の再現もありそうで、このコンビについても期待度は高い。
伏兵で挑んだ昨年とは打って変わって今年は優勝候補の最右翼に目される人気馬での参戦となるが、今年も中央最後のG1タイトルをもぎとるのか。目が離せない。