クラシック戦線の前哨戦として高い注目を集める「きさらぎ賞」が、今週京都競馬場で開催。過去10年で3連単で万馬券が出たのは一度のみと堅実決着が多く、人気上位馬が順当に力を発揮しやすい一戦と言える。
今年の主役候補は東京スポーツ杯2歳S・3着から参戦するファーヴェントだ。
ハーツクライのラストクロップとして早くから注目を集めていた素質馬で、新潟1800mのデビュー戦は前半1000m64秒5のスローペースを中団前目を追走し、上がり最速33秒6の脚で抜け出して快勝。手綱を取った松山騎手も「素質は相当に高い」と走りを絶賛した。
続く前走の東京スポーツ杯2歳Sでは、コース替わりの影響で時計レベルは開幕初週並みに高速化され、デビュー戦とは打って変わってペースは速め。残り1000mから11秒台が続く持久力戦となった。4番手を追走し、結果的に逃げ馬が脱落してひとつ着を上げたというだけだが、スタート後はすんなりと先行ポジションを確保し、道中もかからず操縦性は良好、鞍上の横山武史騎手のゴーサインにも鋭く反応して伸びてと、デビュー2戦目としては及第点以上の競馬を見せてくれたと感じる。
京都1800mで行われるきさらぎ賞は決め手が有利な展開になりやすく、昨年も道中のペースはさほど上がらず、決め手を持つ上位2頭の瞬発力が際立ったレースだった。前走は持ち前の決め手が試されなかった前残りの展開で、デビュー戦のようなスローペースからの上がり勝負となれば、パフォーマンスも上がってくるはずだ。
今回は川田将雅騎手との新コンビで参戦となるが、川田騎手はこのレースを過去10年で6度騎乗して【2-2-1-1】と安定しており、相性は抜群。操縦性の高いファーヴェントなら、乗り替わりで割り引く必要もないだろう。これまで手綱を握った騎手が口を揃えて同馬の素質を高く評価しており、将来性も十分。ここはあっさりと勝ち切り、クラシック戦線の主役候補に名乗り出るか。目が離せない一戦となりそうだ。