牡馬クラシック一冠目となる皐月賞へ向けたトライアル「弥生賞」がいよいよ開催。過去10年で弥生賞組は優勝が無いが、2着5回、3着2回で馬券には比較的安定して絡んでおり、本番を占う上でも欠かせない一戦と言えるだろう。
今年の主役候補はホープフルS・2着から参戦するシンエンペラーだ。前走はレガレイラの強襲に屈して勝ちを逃したが、ある程度流れた中で好位から先に抜け出す競馬で0秒1差の2着なら悲観する必要はないだろう。また、2走前の京都2歳Sでは勝利したもののスタートでアオって控える競馬となり、直線も真っ直ぐ走ろうとしない遊びも見せていた。
前走のホープフルSでは、スタート、ペース、直線での遊びなど多くの課題を残したままでの参戦となったが、本番では良いスタートから好位のインを取り、道中もしっかりと折り合って直線もスムーズに伸びてきた。しっかりと課題をクリアして軌道修正してきた点は高く評価できる。
何より中山の内回りに対応してきた点は好材料だ。京都の2000mは緩い3コーナーから下り坂と出し切りやすいコースであったが、中山の2000mではある程度好位につけていくことや、早めに動いていく積極性も求められた。このあたりはムルザバエフ騎手の手腕に尽きる。
2走前の京都2歳Sでもモレイラ騎手が騎乗するなど近2戦はしっかりと馬を動かしていける外国人騎手が騎乗しているので、新コンビを組む川田騎手が同じように動かしていく姿勢を見せてくれるかどうか。JRA騎手の中では外国人騎手に引けを取らない豪腕で脚を伸ばさせる競馬が多い騎手でもあるので、乗り替わりが大きな割り引き材料とはなり難いだろう。
前走負かされたレガレイラは皐月賞へ直行するローテーションが組まれており、リベンジを果たすためにもここはしっかりと勝っておきたいところだ。