先週の開成山特別(500万下)では約4年半ぶりの平地競走を見事に勝利し、10連勝を果たしたオジュウチョウサン(牡7、和田正一厩舎)。
グランプリレースへの出走を夢見たオーナーの長山尚義氏の意向により、まずは平地での収得賞金を狙って参戦した今回の開成山特別でしたが、結果は3馬身差をつける圧勝。収得賞金はまだわずか500万円ではありますが、これで全ての平地重賞に出馬投票できる権利を獲得したことになります。
「障害界の最強馬は果たして平地でも強いのか?」
本来であればいくら障害で強い馬だからといって、レースで求められる要素が全く違う平地競走で期待するのは浅はかな考えであると言って良いでしょう。しかし、昨年の有馬記念のファン投票では77位(1278票)に推され、今年の宝塚記念でも4268票を獲得し43位にランクインするなど、障害馬としては異例の投票数を集めました。予想外に同馬の平地での実力に興味を持つファンが多くいたことがオーナーの心に火をつけ、障害G1・5勝の最強障害馬の「有馬記念出走」へ向けて動き出すことになったのでした。
今回の開成山特別でもレース前は賛否両論ありましたが、蓋を開けてみれば単勝オッズ2.0倍の1番人気にしっかりと応えて完勝し、まずは「出走権利」獲得という課題をクリア。レース後は長山氏も「障害戦は有馬記念までは使う予定はありません。有馬を本当に狙っていきますし、それだけの馬です。これで有馬の出走権利を得られましたし、あとはファンの皆さんに人気投票をお願いするためにもマスコミの方々に盛り上げてもらえればと思います。」と有馬記念へ向けてファンやメディアに堂々とアピール。
「競馬は突き詰めれば夢とロマンだと思う。だからこそ、オジュウにどのくらいの実力があるか一流馬にぶつけてみたい。」
レース前はそう語っていた長山氏。年末の有馬記念はまだまだ先の話ですが、ここまで来たら長山オーナーと一緒に夢とロマンを見てみたい!そう思えるファンが一人でも多く増えれば、オジュウチョウサンの有馬記念参戦も決して夢物語ではなくなってくるでしょう。