大阪杯を占う上で見逃せない一戦となるのが中京競馬の開幕週を飾る重賞「金鯱賞」だ。
菊花賞馬ドゥレッツァや中京巧者のヤマニンサルバム、新潟記念を制したノッキングポイントなど今年も後のG1戦線で見たい有力馬達が揃ったが、中でもとくに有力視したいのは昨年の覇者、プログノーシスだ。
昨年の同レースでは逃げ・先行勢が優勢な中、1頭だけ後方から差し切る強い競馬で快勝。重賞初制覇達成を皮切りに、その後も香港G1のクイーンエリザベス2世CWで2着、札幌記念・1着、天皇賞秋・3着と2000mの重賞戦線で活躍してきた。
今年は昨年以上のメンバーが揃ったという印象はあるが、ドゥレッツァはG1馬でも世代レベルが疑問視されており、明け4歳ながら59kgと斤量を背負う点は不安だ。ヤマニンサルバムも適性面では上位だが、昨年の金鯱賞と札幌記念では同馬を下している。これまで戦ってきた相手は何枚も上であり、十分に勝ちきれる相手関係と言えよう。
今年は少頭数ながらドゥレッツァをはじめ逃げ・先行馬が多数参戦しており、ペースが速くなれば差し馬の同馬にとっては好条件。昨年同様開幕週は脚質的に不利に映るが、時計勝負にはめっぽう強く、2走前の天皇賞秋・3着も中京なら余裕のレコードだ。中京コースも【2-0-0-1】と高い適性を見せており、着外も0秒1差の4着と崩れてはない。
昨年の覇者で能力上位、コース巧者でメンバー構成的にも展開が向きそうな気配ありということで、連覇達成を果たせる条件は十分に揃っている印象だ。
強いて不安点を挙げるなら“状態面”か。香港帰り休み明け初戦で大阪杯への叩き仕上げなら甘くなるということもありそうで、どこまで力を出せる状態に仕上げられているかは慎重に見極めたいところだ。仕掛けられてからの反応と伸びが普段通りなら、今年も勝ち負けは堅い。